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日本の美しさと醜さの奥にあるもの

2006年9月21日(木)

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 日本は、美しさにあふれる国です。

 風景では、日本の象徴とも言うべき富士山、天橋立、金閣寺といった名勝旧跡はもちろんですが、稲穂に満ちた田園とその向こうに見える山景色、道端にこじんまりとたたずむお地蔵さんといった日常の情景にもえも言われぬ美しさがあります。これらの日本の自然美は、オーストラリアの雄大さ、そしてニュージーランドの華麗さと違い、盆栽に凝縮されたような繊細さの調和を感じます。

 文化、芸術もそうです。歌舞伎や文楽といった伝統芸能に限らず、宝塚歌劇そしてお笑いなどの現代文化にも、考え抜かれ、そして研ぎ澄まされた端麗な美があります。それは奥深さとも言うべきものです。

 例えば、日本の土器に見られる非対称性と偶然性がもたらす温もりや神秘は、言葉で伝えられぬ感動を与えてくれます。また懐石料理を筆頭にした和食が醸し出す味・色・形の美しさは、カロリーと刺激を求める人には分からないでしょう。

 自然や文化、芸術以外の事象にも、日本の美は見られます。エレベーターなどの中で交わす軽い会釈から商談や正式な会談などで示す礼儀作法は、目に見える態度だけではなく、その裏にある気持ちを感じます。

 1998年のフランス・ワールドカップで観戦したサポーターが試合終了後、自分たちが出したごみを片づけて帰る姿を見て、サッカーでは負けても、日本のサポーターは世界一と称賛されたのは印象的でした。

 それは清掃する姿より、「きれいなスタンドでサッカーをしてほしい」という日本のサポーターの心に世界の人々が感銘したからでしょう。昨年の愛知万博の会場。炎天下にもかかわらず小さな子供からご老人まで何時間もきちんと整列して待つ人の姿にも、日本人の心の丈夫さを僕は感じました。

美しさは本能

 僕は日本人を喜ばせるために、これまでのことを言ったのではありません。美しいものは美しいからです。風景はともかく日本人の振る舞いについて、とやかく言う外国人もいます。ステレオタイプ的な表現はお辞儀。悪いことをしていないのに「すみません」とお辞儀したり、電話に向かって頭を上げ下げするのは滑稽だと指摘する外国人もいます。また、軽い笑みを交えた表情も、「何で笑っているのか分からず、不気味だ」という日本人評を聞きます。

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