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企業経営者より、「商品経営者」であれ

  • 伊藤 雅俊

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2006年10月2日(月)

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 商売に欠かせないもののひとつとして、心配りがあると思います。お客様への心配りは商いの「いろは」の「い」です。

 ところが案外、初歩的なことに心を配ってきちんと実行するのは難しいのです。反省を込めて、イトーヨーカ堂で実際に「い」が守られていなかった例をお話しします。

 ある時店を回っていて気づいたのですが、寝具のシーツに白い無地ものがほとんどなく、柄ものばかりでした。人々の暮らしで、白いシーツの需要は高いはずです。

紳士物、子供物売り場の人は婦人物も見よ

 また、婦人物で白いものがよく売れれば、紳士物、子供物でもそれに合う商品が売れるはずです。ところが紳士物、子供物はそういった視点で品揃えできていないということもありました。つまり、トータルな心配りができていないのです。

 紳士物売り場、子供物売り場の人は、自分の売り場だけに気を配るのではなくて、婦人物売り場で何が売れているか、聞く必要があります。そうすれば、自分の売り場で何が売れるのか、分かってきます。店員同士が横の連絡を欠かさないのも、お客様への心配りのひとつだと思います。

 イトーヨーカ堂のある店で、ガスコンロが7種類も並べてありました。競合する他店を覗くと、2種類だけでした。7種類も並べる必要があるのでしょうか。よく考える必要があります。

 難しい理屈はいりません。この商品は地域のお客様に役立つだろうか、ご家族で満足していただける品揃えができているだろうか、清潔な店だろうかと考え、お客様の立場に立って、トータルに心配りしていくことが大切なのです。

 東京の下町、荒川区町屋に有名なお茶のお店があります。その店は、イトーヨーカ堂よりも値段の高い品を取り揃えています。そしてよく売れているのです。その店へ来るお客様は、ごく普通の方たちです。一部の高所得者層を狙って商売しているわけではありません。お客様は皆さん、着飾ることなく庶民的な服装をしておられます。

 イトーヨーカ堂の品揃えに問題があるのです。庶民的な街だから、あまり値段の高い商品を揃えてもお客様は買ってくださらないだろうと、勝手に判断しているのです。庶民的な格好をしているお客様なら、この程度の商品でいいと決めつけて、本当はもっといいお茶を求めているお客様が大勢いらっしゃることに気づかずにいたのでしょう。

客を勝手に判断する愚

 商人はお客様を勝手に判断してはならないのです。お客様の声に耳を傾け、様子をよく観察して、お客様に教えていただきながら、品揃えはこれでいいだろうかと常に自分に問いかける姿勢が大事なのです。お客様の外見を品揃えの判断材料にするのは、大きな間違いです。

 そういう商売の仕方は、変化に対応しているとは言えません。むしろ、そんな考え方をなくすことによって、変化対応の第一歩が始まると言えるでしょう。

 お客様は店に置いてある商品は分かりますが、置いていない商品はご存じありません。少し値段は高いけれど、こんなにおいしいお茶もありますよと教えて差し上げるのも、大切な心配りであると私は思います。だから商品に関する勉強も、これで十分というところはなく、常に前に進む必要があります。それもお客様への大事な心配りです。

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