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GMとルノー・日産提携破談の舞台裏

提携すべき宝の山は既にない

  • J・W・チャイ

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2006年10月10日(火)

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 米ゼネラル・モーターズ(GM)と、仏ルノー及び日産自動車(7201)連合の提携は破談となった。私がこのコラムで再三、書いてきたように、結論は最初から見えていたので、全く驚かない。“未遂”に終わった「世紀の提携」を総括してみたい。

 もともとこの話、発端はGMの大株主カーク・カーコリアン氏が、ルノー・日産のカルロス・ゴーン社長をGMのCEO(最高経営責任者)に迎えようとしたところから始まった。ゴーン氏は逆にこの機会を利用し、3社提携のアイデアを持ち出した。

 その後、90日間の協議を続けた結果、GMは10月3日に、以下の要求をルノー・日産に出すことを決めた。これはカーコリアン氏率いる投資会社の顧問でGM取締役のジェローム・ヨーク氏を含む全員一致で決定したものだ。

 (1)ルノー・日産はGMの株式を20%取得すれば、実質的に“コントロール”することになるわけだから、その“コントロールプレミアム”をGMに支払うべし

 (2)3社提携によるメリットは、ルノー・日産の方がGMよりも4~5倍多い。ルノー・日産はその相当額をGMに“ベネフィット”として支払うべし

約1兆円を要求?

 非公式だが、私が関係者に聞いたところでは、GMが要求したのは、コントロールプレミアムとベネフィットを合わせて80億~100億ドル、日本円にして1兆円前後と見られる。GM陣営はこれらの対価が支払われない場合には、交渉を打ち切ると全会一致で決めた。

 10月4日、GMのリック・ワゴナー会長と日産のカルロス・ゴーン社長の電話会談で、ゴーン氏が「ベネフィットを支払うのは、提携の精神に反する」と言って支払いを拒否。これで破談が決まった。以上が表面的な経緯だが、ここに関係者の思惑を絡めると、以下のようになる。

 まず、6月にこの話が浮上した時、カーコリアン氏とヨーク氏は、ワゴナー氏以下のGMの取締役に全く根回しをしていなかった。当時、私が知る限りでは、社外取締役のうち4人は、CEOをワゴナー氏から別の人に変えるべきだというヨーク氏の意見に同調しかかっていた。ところが6月の事件は、さすがに取締役の目には暴走に映った。コケにされた取締役たちはワゴナー氏支持に戻り、ヨーク氏は孤立してしまう。

 経営者にとって運も力量のうちと言うが、その意味ではワゴナー氏は運が強い。6月以降、GMはフォード・モーターなどと比べて、収益が改善してきた。とても「復活」と呼べる状況ではないが、少なくとも破産の恐れはかなり遠のいた。これでワゴナー氏の立場は強まった。

 逆にルノー・日産は落ち込みが激しくなり、ゴーン氏の立場は弱くなった。ちなみに日本で販売が低迷している同社は、国内工場の稼働率が悪化しており、それを埋めるために米国生産車種の一部を日本に戻している。北米の供給力が追いつかずに四苦八苦しているトヨタ自動車やホンダとはあまりにも対照的だ。

欲しい物が見当たらない

 こうした立場の逆転が進む中で、GMは日産との提携効果を検証してみた。だが、きらりと光るものがなかった。

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