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中国は北朝鮮を擁護しているのか

2006年10月12日(木)

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 日本では、中国政府は北朝鮮を擁護しているように見えるでしょう。中国政府は確かに、北朝鮮を擁護しているかもしれませんが、僕からみれば、相互不信の中で妥協的連携をしているのに過ぎません。

 僕は幼い頃、北朝鮮との国境に5年間ほど住んでいました。川を挟んで中国と北朝鮮が分かれる場所でした。川辺の斜面にある我が家からは、北朝鮮に建つ民家の屋根が見え、犬の吠え声が聞こえるようなところでした。川が国境なので、川が凍りつく冬には中国からも北朝鮮からも気楽に国境を越えることができました。

 今は脱北者の問題がかまびすしいご時世ですが、あの頃は、北朝鮮から中国に逃げてくるようなことはありませんでした。中国では文化大革命の嵐が吹き荒れ、生産活動が停止し、市民生活は北朝鮮よりずっと苦しかったからです。

 それは1970年前後だと思いますが、中国の軍隊がそれまで平穏に暮らしていた我が故郷に突然、やってきて国境の警備を始めました。中国側の住民に武器を配り、望遠鏡を持った兵士が休息に我が家にやってきたことは今でも記憶に残っています。

それまでの光景が突然変わった

 不穏な空気が次第に広がってきましたが、当時は北朝鮮が中国に限らず周辺アジア諸国に緊張を与えるような存在になるとは想像もしませんでした。なにしろ、中国と北朝鮮はその十数年前に共に朝鮮戦争を戦った同盟国であり、「血で固まった友情」と中国政府も宣伝していたからです。

 今思えば、当時の中国は旧ソ連とイデオロギーの争いが激化し、中ソ国境では戦争状態になりました。毛沢東はソ連による核攻撃に備えるために全国民に防空壕を掘るように命令したほどでした。

 明確な証拠があるのか分かりませんが、ソ連との緊張関係の高まった時期に、毛沢東は北朝鮮の金日成主席を信用していなかったはずです。いくら「血で固まった友情」と表で言っても中国とソ連と戦争になれば、金主席は貧乏な中国ではなく、たくさん支援をくれるソ連につくはずです。

 一方、金主席も毛沢東を信用しなかったと思います。結果として金主席が正しかったのです。その後、毛沢東は北朝鮮の敵対国である米国のリチャード・ニクソン大統領と、そして日本の田中角栄首相と会うなど、次々と「裏切り行為」に出たのです。その最後で最大の裏切りは韓国との国交樹立でした。中国は正式に北朝鮮による朝鮮半島の武力統一を否定したのです。

 中国の“裏切り”はその後も続きました。1992年、中国は韓国と国交を樹立しました。僕が来日した85年、北京から東京までの飛行時間は、今よりも長くかかりました。中韓両国は国交がなかったため、中国の航空機は韓国の領空を飛行できなかったのです。中韓が国交を持つまでは、中国のメディアは北朝鮮を「血で固まった友情の朝鮮」、韓国を「米国の傀儡の南朝鮮」と宣伝していたのですから、両国の国交樹立は日本にいた僕もびっくりしました。

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