• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

相容れない人と分かり合う術

  • 神谷 秀樹

バックナンバー

2006年10月31日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 先日、ニューヨークで国連総会が開催された。ニューヨーク市民は交通渋滞の激しさで、総会が開催されていることを実感する。各国首脳が演説し、その要旨、抜粋が報道されたが、そこに私が持った印象は、「各国の首脳は、恐ろしいほどコミュニケーション能力が不足している」ということだった。

 どこの国の首脳も自己主張をとうとうと述べていた。その主張の中には、聞く立場によって評価は変わるだろうが、同意できる意見もあれば、全く相容れないものもあった。例えばイランのアハマディネジャド大統領の演説では、私は「本心なのか」と疑いを持つ部分もあれば、「その通り」と賛同する主張があった。

 前者の例としては「イスラエルを抹殺せよ」と言ってきた人が「ユダヤ人を好きだ」と言っても信じられない。後者の例は「安全保障理事会をいまだに第2次大戦戦勝国で牛耳っているのはおかしい」という意見だ。イランと米国は現在、イランの核開発を巡って敵対している。イランのアハマディネジャド大統領と米国のブッシュ大統領がすべてにおいて意見が異なるとは思えないが、現時点で両者の間にコミュニケーションは成立していない。

 イラン・米国両国に限らず国連演説で徹底して欠けていたと思うのは、相手に対して「ところであなたはどう思うのか」と問いかける姿勢と、「あなたと合意できることはこれで、合意できない点はこれになる。それでは後者は、今後どのようにしていくべきか」と解決策を一緒に考えようとする姿勢だ。そこには外務官僚の技量をあれこれ言うたぐいのものではなく、国を代表する首脳自身のコミュニケーション能力が問題になる。

ギャップは国の違いから生じるものだけではない

 「異文化間コミュニケーション」は、非常に難しい課題である。私が「異文化間コミュニケーション」という言葉を聞いたのは1970年代、早稲田大学の学生だった頃だ。早大にはこの学科がなかったので、国際基督教大学の斉藤美津子、ジョン・コンドン、エド・スチュワートの3先生をお訪ねし、個人的にご指導を仰いだ。

 先生方は他大学の学生である私にも気持ちよくご教授をして下さり、学会などにも連れて行っていただいた。それ以来この言葉に興味を持ち続け、現在の仕事もその延長でしている。我々の仕事のほとんどは国境をまたがる取引で、絶えず異文化間のコミュニケーションギャップを越える努力を要する。

 大学時代を含めれば35年くらいこうしたことを仕事にしているが、それでもいまだにコミュニケーションが問題で仕事をしくじる。最近も15カ月間かけて努力してきた案件が、最後の山場でコミュニケーションが成立せず、一方が「下りた」と言って崩壊した。自分の非力を嘆いたところで、いったん壊れたものは「覆水盆に返らず」である。

コメント2

「神谷秀樹の「日米企業往来」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「昔、SOMPOは保険会社だったらしい」と言われたい。

桜田 謙悟 SOMPOホールディングス グループCEO社長