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統合失調症が疑われる部下に対する対応【後編】

弁護士からのアドバイス

  • 前田 陽司,田中 亨子

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2006年10月23日(月)

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 25歳の男性社員。職場内で孤立し、「職場の同僚が自分の噂話や自分の悪口を言っている」などと訴え、突発的に激昂するなどのトラブルを起こした後、無断欠勤を続けている。どのような対応が必要か。

 相談内容の詳細は前編をご参照ください。>>

 Sさんは、被害妄想に陥り、異常な言動を繰り返したうえ、現在は無断欠勤を続けています。Sさんの言動は常軌を逸しており、何らかの精神疾患にかかっている可能性が高そうです。

 会社には、従業員の健康に配慮する義務(健康配慮義務)があるため、Sさんを健常な従業員と同じように扱ってしまうと、後日、Sさんから健康配慮義務違反の責任を追求される恐れもあります。そのため、現在の段階で、無断欠勤を理由にSさんを懲戒処分にかけ、また解雇するのは、非常に危険です。

 また、Sさんは、職場で突然暴れたりしていますので、このまま放置すると、他の従業員に危害を加える可能性もあります。Sさんが他の従業員に怪我をさせた場合、会社は、その従業員から管理責任を追及される可能性もあります。

 そこで、会社としては、早急にSさんの病状を把握し、適切な対応を取る必要があります。

医師の受診命令を出すことはできるか?

 Sさんの病状を把握するためには、Sさんを説得して、産業医等を受診させることが必要です。Sさんが医師を受診しない場合、会社は、就業規則に規定があれば、Sさんに業務命令としての受診命令を出すことができます。また、就業規則の規定がない場合でも、合理的な理由があれば、受診命令を出すことは可能です。

 Sさんが被害妄想に陥っていることや、他の従業員に危害を加える可能性があることなどから考えると、合理的理由は認められると考えられますが、最終的には、会社の顧問弁護士とよく相談して判断してください。

精神疾患が判明した場合の対応は?

 医師を受診させた結果、Sさんが精神疾患になっていることが判明した場合(産業医のアドバイスによると、統合失調症の可能性があるようです)、会社は、Sさんの病状悪化を防ぐ措置を取らなければなりません。

 具体的には、産業医等の意見を聞いて、
(ア)就業場所の変更、
(イ)業務上の責任の軽減、
(ウ)作業量の軽減、
(エ)労働時間の短縮、
(オ)休職など、
病状に応じた対応をする必要があります。

休職命令を出すことはできる?

 Sさんの被害妄想や異常言動の内容から考えると、病状は軽くないように思われます。そのため、病状悪化を防ぐ措置として、産業医等から、Sさんを休職させて治療に専念させるように勧められる可能性もあります。

 この点、Sさんは、現在でも無断欠勤を続けていますので、休職も同じことだと応じる可能性もありますが、Sさんと会社とのコミュニケーションがそもそも成立しない可能性もあります。仮に、Sさんが休職に応じない場合であっても、会社の就業規則には、通常、「従業員が私傷病によって一定期間以上の欠勤をする場合、会社は休職命令を出すことができる」という趣旨の規定があるはずです。そのため、会社は、この就業規則に従って、Sさんに休職命令を出すことができます。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授