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新星グーグルと、老舗フォードの共通点

~潜む創業者バブル

  • 酒井 耕一

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2006年10月19日(木)

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 ネット検索大手の米グーグル(Google)が、動画投稿サイト運営の米ユーチューブ(YouTube)を約2000億円で買収した。運営モデルが固まっておらず、法的にも問題がありそうなユーチューブに果たして2000億円もの価値があるかどうかも疑問だが、金銭的にはグーグルは気にしていないだろう。なぜなら買収はグーグルとユーチューブの株式交換で行われ、現金を使わないからだ。

 今やグーグルの株式時価総額は1280億ドル(約14兆円)となり、ソニー(約5兆円)を軽く上回る。米国の有名企業と比べても、ヤフー(330億ドル)やデル(550億ドル)を超え、インテル(1240億ドル)と肩を並べる。

 グーグルの株価は400ドルで、1株ですら簡単には買えない額だ。

 若き創業者がネットという新しい世界で社業を広げる。株高の理由はそこへの期待にあるのだろうが、なぜグーグルだけそんなに高いのか。

 株式と株主構造を調べると意外なことが分かる。

会社関係者が大株主、流動性が低い

 まずグーグルの上場株の30%は会社関係者で持たれている。合計株主数は653。

 これがいかに変わった数字かは他社と比べるとよく分かる。

 マイケル・デル氏が創業した“オーナー企業”のデルの関係者支配率は11%。株主数は868だ。つまり上場するに当たりデル氏の持ち株比率は減り、多くの外部株主を迎えているということだ。

 時価総額で並ぶインテルはもっと低い。わずか3%で、株主数は1312とグーグルの2倍もいる。ヤフーでさえ10%、651だ。

 こうして見ると、グーグルの株高には特殊要因があることが分かる。

 まず創業者ら会社関係者が3割もの株を所有しているため、市場に出回る株は少ない。しかも400ドルという株高であれば、個人は買いにくい。人気銘柄となれば、ますます株主は売らない。デルのように株式分割をして、個人投資家が買いやすいように株価を下げることをしていない。

 この背景には、もともとグーグル創業者は上場を嫌っていたことがある。そのために普通株とは別に複数種類の優先株を出して、経営権を守っている。会社が大きくなって上場しなくても相当の情報開示を米SEC(証券取引委員会)から求められるようになった。それなら上場してしまった方がいいが、買収対象にはなりたくない。その結果が今の財務構造につながっている。

 グーグル=ネットの旗手=高株価という構図の裏にはそうした理由がある。ユーチューブの買収価格が割高と感じるように、グーグル自体も過剰に評価されているのではないだろうか。

 グーグルの株主構造を見ていたら、老舗のフォード・モーターに似ていると思った。

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