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骨太アナリストはどこに消えた?

かつて暗黒大陸を開拓した職人芸は時代の遺物に

  • 若林 秀樹

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2006年10月20日(金)

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 アナリストの投資判断が株価に与える影響は大きい。かつてほどではないにしろである。アナリストがどのような手法で企業を評価するのかを知っておくことは、最終判断を下す投資家にとって決して損はないと思う。今回は、アナリストの仕事の舞台裏(一端ではあるが)を明かそう。

1社50人に会ってようやくスタートラインに立てる

 アナリストの情報源は多岐にわたる。企業側が主催する決算説明会などに出席するのは当然だが、それだけではほかのアナリストと違いを打ち出せない。だから、できるだけ丹念に企業を回る。かつて筆者が担当していた総合電機で言えば、年4回程度の決算説明会、年2回の工場見学会や事業説明会のほかに、年10回程度の個別取材、競合会社や得意先、仕入先などの取材を数カ月ごとに。これを、担当企業の数だけこなす。

 初めて担当する企業については、経営トップからCFO(最高財務責任者)、技術開発担当など、合計20人程度のキーパーソンに1~2時間ずつ取材すれば、それなりの知識が得られる。30人に取材すれば、最低限のリポートは書ける。50人なら、会社や業界からも一目置かれるようなる。

 IR(投資家向け広報)担当者に聞けば、たいていの数字はもらえるし、内情も分かるのだが、それだけでは企業の気風というか空気までは感じ取れない。アナリストも人間だから、たまたまIR担当者が明るい性格の人だと会社もそうだと錯覚してしまうようなこともある。IR担当者に会って、事業説明会と工場見学ぐらいでリポートを書いてしまうアナリストもいるが、それでは本質を突くことなどできない。

社長がとぼけても、「現場」は嘘をつけない

 あらゆる部署の人間に数多く会って、その企業に共通する何かをつかむことが重要だ。購買部門や営業、人事、労働組合の幹部にも会いたいところ。1つの会社でも、部署によって気風が全く違うことがある。事業部長は「なんで、この人が」みたいな人なのに、課長クラスは抜群に切れ者というように、世代によって人材の優劣のばらつきがあることも見えてきたりする。工場見学に行くと、壁に貼ってある歩留まり改善のグラフや月間生産目標などから、貴重な情報が得られることもある。

 アナリストも現場第一なのである。現場は嘘をつけないからだ。経営トップは、嘘とは言わないまでも、「ポーカーフェイス」を装うことに慣れている。それが仕事だからだ。だが、現場はそうはいかないのである。

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