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景気を占うおまんじゅう、ご存じですか

  • 田中 陽

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2006年10月20日(金)

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 「景気好転まんじゅう」という商品をご存じでしょうか。

 JR山形駅(山形市)から徒歩で十数分。駅前の商店街から少し離れた住宅街の一画にある「菓遊専心 戸田屋正道」という和菓子屋さんで販売している人気商品です。このお饅頭(まんじゅう)が発売されたのは1998年秋。金融機関が相次いで破綻に追いやられ、世の中はものすごく暗い雰囲気に包まれた時期でした。2代目社長の戸田正宏さんが「少しでも景気がよくなりますように」と願いを込めて発売したのが「景気好転まんじゅう」だったのです。

景気が好転すれば販売はおしまい?

 形は小判形。価格は1個88円(税抜き)。末広がりの8を使い、あくまでも縁起を担いだ商品として世に送り出しました。しかもこんな激励文まで付いているのです。

 「がんばれ経営者。なんとまあ大変な世の中ですが、愚痴や弱音をはかずに、まんじゅうでも食べてがんばりましょう」   

 当時、日経産業新聞に小さく取り上げられた記事を見て、とっても気になったので電話取材をしました。戸田社長の答えはこうでした。「1日に600個程度は売れています。贈答用や法人需要も多いです。景気が好転すれば販売をやめます」。

 「景気が好転すれば」という言葉がものすごく印象に残りました。そこで1年に数回、「景気好転まんじゅうはまだ扱っていますか」とお店に電話をして景況感を探っていました。

商品名から「景気」が取れた!

 10月中旬。新聞紙上で今回の景気拡大(2002年2月から)が戦後最長の「いざなぎ景気」(1965年11月から1970年7月、57カ月)に並んだことが大きく取り上げられていました。「景気好転まんじゅう」のことが気になり早速、戸田屋正道に電話をすると戸田社長からこんな答えが返ってきたのです。

 「商品名を変えました。8月から『景気』の2文字を取って『好転まんじゅう』にしています。以前に比べると景気が悪いという話はとんと聞かなくなったのです。これからはいろんなことが『好転』しますようにと改めて願いを込めることにしました」。

 限定商品から息の長い商品へと格上げされたのでした。

 都市部の景況感と地方のそれとは相当違うと言われていますが、戸田社長の皮膚感覚の景況感でも山形県の景気が好転したと判断されたのでしょう。

 実は戸田社長の景況判定は、とても鋭いものがあります。

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