「奥井規晶の「美しい日本の和魂洋才」」

外資系企業と愛国心

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2006年10月26日(木)

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 前回(初回)の記事に多くのコメントをいただけたのは誠にありがたいことで、お礼申し上げたい。私はこの数年「ジャパナイゼーション」を唱え続け、数々の講演や執筆をしてきたので、これまでも様々なご意見をいただいてきた。しかし、「美しい国」は今回初めて述べた論点であり、これほどの反響があるとは予想していなかった。

 いただいたコメントには真摯に耳を傾け、今後の執筆の糧としていきたい。一方で、中には従軍慰安婦問題と関連づけて、「筆者の親類の女性(妻のことであろう)が外国人にレイプされているときの筆者の反応を見てみたい」と寄せられた方がいたが、このコメントは私と私の妻に多大な恐怖を与えるものだった。

 まさか「日本は朝鮮人を従軍慰安婦にした悪い国だから、北朝鮮へ経済制裁する前にそのことを謝罪しろ」とでも言いたいのだろうか。60年前にあった先の大戦における日本軍の悪行を並べ立てて、現在の日本国自体を貶めることに何の意味があるのだろう。

 戦争となれば、どの国の軍隊でも非人道的な殺人行為を繰り返し、時に戦争犯罪すら起こしているのが現実である。だが、敗戦国の残虐行為は戦勝国によって嫌というほど誇張されて喧伝され、戦勝国の犯罪はおおむね隠し通される。米国は広島と長崎の原爆で亡くなった方々に対してどれだけの謝罪をしたのか。満州から引き上げる日本人に対して行われた残虐行為はどうなのか、シベリア抑留は…、と日本側にも訴えたいことはいくつもある。

 従軍慰安婦問題を葬り去れ、と言っているわけではない。従軍慰安婦問題を外交のカードとして突きつけられた時に腰くだけになる日本人の態度が問題なのだ。私は約20年外資系企業に勤め、海外の企業やビジネスパーソンとの交流も多い。その経験をふまえて言うのだが、今の日本で最も美しくないものは、従軍慰安婦問題ではなく「愛国心のなさ」だと思う。私から見ると、韓国や北朝鮮の国民は愛国心の塊のように映る。そうした国の外交政策に対して、愛国心に欠ける日本人は自虐的な対応しかできていない。この点で日本は世界のどの国よりも劣っているように思えてならない。

戦後失った愛国心

 戦後の米国による日本占領政策の根底には、戦前の体制の否定があった。戦前の否定は国民の自虐史観を生み出した。私自身もそのような教育を受けてきた。簡略化すると「戦争はよくない、戦争をした日本は悪い国だ、だから日の丸を掲揚するのも君が代を歌うのも悪いことだ」というような論理が学校を支配していたことを、子供心に記憶している(今にして振り返れば、その理論を叫んでいたのは特に日教組の先生たちであった)。

 結果として、国民の多くが日本という国に誇りを持てなくなった。安倍内閣が「教育再生」を優先課題に掲げるのは、決して間違っていないと思う。私の知る限り、世界のどの国でも自国の文化や歴史に誇りを持たせるための教育をしている。一体、自分の国は悪い国だと学校で教育している国が日本以外にあるのだろうか。

 今、最も大切な政策の1つは、戦後にゆがめられた日本人の愛国心を再生し、正しく育むことではないか。もちろん戦前、戦中のような帝国主義的な愛国心ではなく、ごく当たり前に自国を愛し、世界の中での日本を常に考えるということである。

外資系の方が日本を愛している

 私は常々嘆いているのだが、実は外資系企業に勤める日本人の方が、たいていの日本人よりも日本を思う気持ちが強い。これは私自身が約20年間、外資系企業に勤めて実感したことである。

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著者プロフィール

奥井 規晶(おくい・のりあき)

奥井 規晶

1984年、早稲田大学理工学部大学院修士課程終了後、日本IBMに入社。システムエンジニアとして活躍後、ボストン・コンサルティング・グループを経て、アーサー・D・リトル(ジャパン)ディレクター、シークエンシャル代表取締役、ベリングポイント代表取締役などを歴任。2004年4月に独立。現在、インターフュージョンコンサルティング会長。早稲田大学大学院客員教授を経て、事業戦略、営業戦略、組織改革などのコンサルティング、ラジオのコメンテーター、講演、執筆などで幅広く活躍。



このコラムについて

奥井規晶の「美しい日本の和魂洋才」

日本国民が自信を持ち、経済発展にはずみをつけるための底力となるのが、和魂洋才のDNAだ。この連載では「ジャパナイゼーション」というキーワードで最近の時流や経済的な出来事を説明し、日本人のDNAがいかに根深いものなのかを解説する。

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