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もう一つの格差がもたらす巨大なムダ

2006年10月26日(木)

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 世間では所得の格差が議論されていますが、著名企業や大組織に人材が集中し、中小・零細企業には人材が集まらない“人材の格差”は今も放置されたままです。商工組合中央金庫が先頃、発表した調査によれば、人手が不足していると回答した企業は全体の24%に達しました。過剰と回答したのは7%です。

 厚生労働省の労働経済動向調査によれば、人材が不足や過剰と回答している比率は、企業規模の大小にかかわらずほぼ同じような比率ですが、著名な企業や公的機関では、間違いなく過剰な人材を抱えていると思います。もちろん最近は、大企業といえども正社員を採用する代わりにパートなど正社員以外を採用したり、社員の就労時間が長引くなど、最前線の現場では人手不足が起きていることも事実です。しかし、それでも中小・零細企業に比べれば頭数は揃っています。

 豊富な人材がしのぎを削りながら仕事をすれば、その効果は計り知れないものになるでしょう。よく「切磋琢磨」と言いますが、適正な量を超えた過剰な人材同士の場合となると、お互い切り落とし合い、もしくはすり減っていくだけのことではないでしょうか。「人材の宝庫」と言いますが、多くの人が能力を発揮できない「人材の倉庫」に化してしまいます。

個人の人生も無益にする

 人材の一極集中は、社会全体の巨大なムダであると同時に、個人の人生も無益にしてしまいます。

 この巨大なムダの直接的な原因は、人材の流動化の低さにあります。個々の企業と組織、特に著名企業と公的機関が過剰に人材を囲い込む「努力」を続けた結果です。彼らは社員の才能が企業の財産だと誤解し、囲い込んでいればそれで競争力が強くなると勘違いしているのです。

 中国には「流れない水は腐る」という諺があります。人材は適切に流動しないとその才能が発揮できないのです。人を囲い込むことはその人への愛情ではなく、その人を「囚」人にしてしまうことです。どうか囚の字に注目してください。人を檻の中に入れてしまっているのです。

 「当社の一番の財産は社員です」

 本音なのか、ポーズなのかよく分かりませんが、このようなことを真顔で僕に説明する経営者がいます。僕がある会社の社員だったら、そこの社長に「あなたはうちの財産だ」と言われたくはありません。

自分は会社のものではない

 なぜなら、僕はまず僕のものです。それから僕は家族のものです。最後に僕は社会のものです。僕が会社を創業しても、会社に就職しても、それはまず僕は自分の人生において何か意味のあることをしたいからです。そのために僕が会社という道具を活用したいだけです。読者の皆さんはどうでしょうか。

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