「デジタル大融合〜発展へのロードマップ〜」

加速する「ネット+動画」の動き
放送と通信が共存するモデルを

メディア、ハード、コンテンツの大融合の真実

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2006年10月30日(月)

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 ネットでの動画視聴が模索される中、YouTube の登場は衝撃をもたらした。動画サイトとして一気にメジャーになったYouTube に対し、テレビ、映画など既存メディアはどう対応するのか。Web2.0 がテーマとされる昨今、通信と放送はどのように融合し、コンテンツはどう扱われていくのか。熱い議論が続いた。



■ Panelist ■

米Google 副社長 兼 グーグル 代表取締役社長 村上憲郎

日本テレビ放送網 第2日本テレビ事業本部 エグゼクティブ・ディレクター 土屋敏男

ヤフー マーケティング本部長 大蘿淳司

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント テレビ部門日本代表
兼 アニマックスブロードキャスト・ジャパン 社長
 滝山雅夫

日経ビジネス編集委員 水野博泰
Moderator
日経ビジネス
編集委員
水野博泰

水野 今後、映像がますます流通する時代に向かう中で、そこにはやはり光と影の部分があります。数年前にはナップスターの事件が起こり、これは、米国の産業界がたたきつぶしました。しかし、そこから法整備がなされ、iPodなどが生まれ、音楽を聴くスタイルを一変させたわけです。それは、ネットがコンテンツに対し大きな影響力を持っていることを示す出来事でした。そして今注目されているのが、ユーザーが自由に動画をアップロードするYouTubeですが、著作権についてはチェックし切れていないのが現状ですね。


著作権かそれとも視聴率か
TVとYouTubeの微妙な関係

土屋 ナップスターの事例があったので、米国の3大ネットワークなどが、同じような対応をしてくれるはずと思っていました。ところが、なんとNBCが業務提携したというのです。YouTubeに非合法にアップロードされた動画がフックになって、テレビ番組の視聴率が上がったというデータも出てきました。それで業界的には、「これは、うまく適応した方が良いぞ」という結論に達したようです。米国では、事実上、半分認められたような印象がありますね。

 一方、日本では、私どものある番組のセンセーショナルなコンテンツもアップされ、繰り返し削除のメールを出すのですが、消されると別の人がアップするということの繰り返しで、そんなことをしているうちに300万ビューに達しました。単一の動画コンテンツとしては衝撃的な出来事でした。それだけの人がネットで動画を見ていることの証明になったからです。事実、5月の段階でYouTubeはGyaO を抜いています。既に日本で一番見られている動画サイトになり、今後もユーザー数は加速度的に増えるでしょう。我々はどう対処しようか、検討しているところです。

滝山 映画の興行から考えると、非常に良い部分もあります。冒頭の一部分が流れると、本編を見てもらう動機になりますからね。私どもとしては、海賊版の方が脅威です。YouTubeの影響という点では、3 〜 5 分で完結してしまう音楽と、それが不可能な映像との決定的な違いがここで、私たちはそれほど困惑はしておりません。

水野 Yahoo! 動画とはどう違うんですか?

米Google 副社長 兼 グーグル 代表取締役社長 村上憲郎氏
米Google 副社長 兼 グーグル 代表取締役社長 村上憲郎氏   (写真:小嶋三樹 以下同)

大蘿 Yahoo! 動画の場合は、基本的に著作権をクリアしたものだけを流しています。YouTube現象で興味深いのは、善し悪しは別にして、インターネットで動画を見たい人たちが大勢いた、膨大なニーズがあったという事実です。100万に満たないアクセスが、半年で600万を超えてきた。これは、今までにない伸びです。そのトラフィックを調査すると、ブログやSNSから飛んできていることがわかりました。コミュニケーション系のメディアが、100万を600万に押し上げるパワーを持っている。これは注目すべきことです。何も知らない人が、検索してブログに行き着くと、「あそこに動画があるよ」という情報を見つけ、YouTubeを見ているわけです。

村上 これまでは、プレミアムプログラムというか、コンテンツがネット配信にうまく乗り切れていませんでした。そんな中で、例えば「伊東家の食卓」のTシャツの一気たたみのような、動画で見るとすぐに分かる情報は、世界中の人が「面白い」と感じているのでしょう。イタリアの人がローマのホテルで、ちゃぶ台が出てくるアニメーションを楽しんでいるのかもしれない。そう考えると、YouTubeは我々に、日本のコンテンツは世界的に見ても優位性がある、面白いということを示しているのかもしれません。ですから、グーグルとしては、それを世界に広めていくお手伝いができる仕組みを探りたいと考えています。

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このコラムについて

デジタル大融合〜発展へのロードマップ〜

日経ビジネスは9月7〜8日にわたり、「2006東京国際会議」を日経エレクトロニクスと共同で開催した。2004年、2005年に続いて3回目の開催となった今回の統一テーマは「デジタル大融合の衝撃をチャンスに」。国境や事業領域を超えて新たな発展段階に入ったデジタル産業の近未来像について各界のキーマンが2日間にわたって徹底討論した。熱意に満ちた会議の模様をお伝えする。

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