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目前に迫る微細化の限界
ロジックによる補完が重要に

メモリー無限時代への挑戦

2006年11月8日(水)

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 携帯電話や携帯デジタル・オーディオ・プレーヤーなど、市場に追い風が吹き続けるメモリー業界。しかしその一方で、付加価値向上の最大の手法であった微細化が、限界に近づきつつある。その限界を乗り切るため、また新たなニーズを掘り起こすために必要なのが、メーカーの協力であり、それにより市場はさらに広がっていくという見通しで、業界各社幹部が一致した。



■ Panelist ■

エルピーダメモリ 執行役員 辻本 明

Spansion Inc. エグゼクティブ・バイスプレジデント チーフサイエンティスト 田口眞男

東芝セミコンダクター社 副社長 齋藤昇三

データガレージ 代表取締役 南川 明氏
Moderator
データガレージ 代表取締役 南川 明氏
(写真:三吉健心 以下同)

南川 まず各社のビジネスの現状からご説明いただきましょう。

辻本 エルピーダメモリはデジタル家電やモバイル機器、サーバー向けの「プレミアDRAM」に力を入れています。2005年の売り上げは前年比倍増、さらに2005年第1四半期と2006年第1四半期を比較しても倍増しています。

 当社が特に期待しているのが携帯電話機です。携帯電話機には、現在NTTドコモのFOMAの場合で96Mバイト程度のDRAM が使われていますが、3.5世代携帯などに代表される高機能化により、2007年には128Mバイトに拡大するでしょう。また携帯電話機に搭載するメモリーに占めるDRAMの比率も、他のメモリーからの置き換えが進むことで、現在の3割弱から急激に増えることが予想され、将来の成長が見込めます。

 ポストDRAM技術としてフラッシュメモリー以外に注目しているのはPRAM(相変化メモリー)です。DRAMとのプロセスの親和性やリード/ライト速度の面で優れているからです。当社は次世代メモリーの最有力候補としてPRAMを推進しており、2010年頃にはある程度の方向性が見えてくると考えています。

田口 スパンションはNOR(ノア)型フラッシュメモリーの多値化テクノロジー「MirrorBit」を核に事業を展開しています。特に携帯電話機にはMirrorBit技術のNOR型メモリーを、かなりの数使っていただいています。4ビット/セルの実装も可能なMirrorBitでは、65nmで4Gバイトの実現も時間の問題となってきました。そうなると、おそらくNAND(ナンド)型フラッシュメモリーともいい勝負になるのではないかと考えています。

 MirrorBitを応用した技術でスパンションが力を入れているものの一つが、携帯電話機のSIM(契約者情報モジュール)カードです。大容量のメモリーとロジックを混載したチップです。現在のSIMは個人の識別情報と少々の電話帳などしか入りませんが、そこに大容量のデータ・ストレージを搭載することで、ダウンロードしたコンテンツもすべてそこに記録できるようになります。

齋藤 東芝はNAND型フラッシュメモリーを、従来ハードディスクが使われてきた領域に拡大することを狙っています。デジタルカメラへの搭載から始まったNAND型は携帯デジタルオーディオ・プレーヤーまで市場を拡大し、その過程でNANDの価格は毎年半分ずつ下落していきました。今後もこのペースで価格が下がると、ビデオカメラ、そしてパソコンのハードディスク置き換えが現実的になってきます。その結果、2008年までにビット数で毎年2.5倍ずつ拡大すると予想しています。

 技術面に目を向けると、今年中に56nmで16Gバイト、2009年後半には30nm台で64Gバイトの実現までは視野に入っています。問題はそこから先です。20nm台まで微細化するとなると新しいステッパーが必要で、その投資に見合うものが作れるかどうかという点が課題になってくるでしょう。

立ちはだかる30nmの壁
カギを握るEUVのコスト

南川 メモリーは常にコスト低下が求められます。例えばDRAMは年40%ずつビットコストが下がっていますが、今後もこのペースで下がっていくのでしょうか。一部には微細化の限界とそれに伴う投資効率の悪化も取りざたされています。

エルピーダメモリ 執行役員 辻本 明氏
エルピーダメモリ 執行役員 辻本 明氏

辻本 ArF(真空紫外線露光の一種)ステッパーの改善やメモリーセルの3 次元化などで、ビットコストの下落は当面続くでしょう。ただArFの限界と言われる30nm以降は、次世代のリソグラフィー技術であるEUV(極端紫外線露光)が、どのくらいのコストで実現できるのかという問題もあり、先は読みにくいところです。

齋藤 やはり将来のコスト低下は、EUVの価格次第という感覚があります。経済原理にかなった価格でEUVが登場すれば、2010年以降も20nmに向けた微細化が可能になると考えます。

田口 微細化の限界を考える場合、いろいろな切り口があります。リソグラフィーの限界はコストで、技術的にはいくらでも微細化できても、コスト的に市場が受け入れられないものができてしまっては、意味はありません。

 またデバイスの面から見ると、そろそろ微細化の限界が見え始めていると思います。セルの3次元化は今までになかった別の問題が起きる恐れがあり、市場に送り込んでも手離れが悪くなるかもしれません。

 既に微細化技術は、100nm以降いろいろな“爆弾”を抱えています。しかし商品としては未成熟でも、それをシステム側で補ってユーザーからは見えなくしてきたわけです。その意味で微細化の本当の限界を考えた場合、問題は「トランジスタがちゃんと動くか」という点に収束し、それが30nmではないでしょうか。

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