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組織に埋没した先輩社員の悲哀

  • 奥井 規晶

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2006年12月5日(火)

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 先日、ある先輩と飲んでいた時、組織埋没人間の哀しさについて語り合った。きっかけは、最近明らかになった日立製作所の業績不振の記事だった。同社は2007年3月期業績見通しが550億円の純損失となり、会長・社長などの報酬が10月から3割減らされるという。元同社社員でもあった大前研一氏が週刊ポストの連載の中で、広範な事業領域を守れる経営者が育ちづらいこと、過度の社内競争によって社員が内向き・下向き・後ろ向きになり、競争相手は社外ではなくて社内だと思っていることなどを喝破していた。

 何しろ売り上げが半分以下の三菱電機に時価総額で抜かれてしまったのだから、同社の危機は深刻だ。前回の危機(2002年に約5000億円の損失を出した頃)の際に、当時の経営者から「日立はこれで一度死んだのです。これから生まれ変わってもう二度とこんなことは起こさない」と伺ったのを思い出すと、この会社の病巣はかなり根深いのかもしれない。

 私と飲んでいた先輩は団塊の世代で、既に定年を迎えた。彼はしみじみとこう言った。「学生時代は学生運動に明け暮れていたが、社会に出てからは会社にすべてを捧げ、家庭も顧みずに働いてきた。おかげで会社はどんどん大きくなり、同時に日本も豊かになっていった。いつの間にか自分が日本株式会社の働き蜂であることに誇りさえ感じていた」。

 彼はバブル絶頂期には40代の働き盛りで、まさに何の不安もなかった。バブルが崩壊したからといって急に変われるはずもない。「日立のような大会社では、私のような人間は大勢いるはずだ。会社が大きすぎて、自分が一体どの場所にいて、何をやっているのかさえよく分からない。事業部を越えてものを考えることも難しいだろう。社内で生き残りさえすれば生活は安定しているわけだから、危機感を持てないのも分かるような気がする」。

日本的経営の強さと弱さ

 昨今、いわゆる「日本的経営」の終焉が叫ばれている。日本的経営とは、戦後の日本企業が欧米流を取り入れながら和魂洋才して築き上げたシステムだ。皆さんもご存じのように、大きな特徴として終身雇用制度・年功序列・企業別組合などをベースとした雇用制度が挙げられる。この制度は「組織埋没人間」を大量に生産し、彼らの企業への忠誠心こそがこれまでの日本企業の強さを支えていた。

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