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「よい会社」に「よいヒト」が育つ

今こそ「情」の経営に舵を切ろう

  • 常盤文克

バックナンバー

2006年12月18日(月)

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 前回(「ヒト資本」と「カネ資本」に起こるズレ)は、企業が発展していくうえでヒトの存在こそが重要であり、ヒト重視の経営にこそ未来があるとお話ししました。この話題をさらに深掘りして、今回は企業が社員(ヒト)の力をどうすればうまく生かせるのか、述べてみたいと思います。

賃金を払っても、思い通りに働かないのが当たり前

 ヒトは雇ったからといって、すぐに思うような成果を出すわけではありません。もちろん、思い通りに動いてくれるわけでもありません。

 ヒトそれぞれ知識や技術の程度が違いますし、即効性があるカネやモノ(機械や設備)などの実物資本とは、効果の時間軸が違います。だからこそ、企業はヒトを育てることに時間をかけ、ヒト重視の経営に舵を切るべきだというのは、前回お話しした通りです。

 時間をかけて育てた人材には、豊富な経験に裏打ちされた知識や技術、また技能や勘などのノウハウが蓄積されています。この様々なノウハウを磨き上げ、その継続性を担保するには、短期的で表面的な評価に陥りがちの成果主義ではうまくいきません。だからこそ、長期雇用という日本的な考え方に改めて注目すべきだと私は思います。

 

 終身雇用はともかく、長期雇用という言葉は時代遅れに聞こえ、人材の流動化という最近の流れに逆行しているかもしれません。しかし、私の実感としては、長期雇用を前提に時間をかけて育てたヒトこそが、いい仕事をしてくれるのです(ただし、長期の雇用形態には「甘え」や「惰性」が潜んでいます。ここは十分に注意しなければなりません)。

人を育てるにはタイミングが大事

 ヒトを育てるには、ただ時間をかければいいというものではありません。タイミングが大事なのです。植物に例えてみると、種をまいて芽が出て、若葉が顔を出してから、早く大きく育てようと一度に肥料を与えすぎると、せっかくの若葉が逆に枯れてしまいます。一方、成長期に合わせてタイミングよく適切な量の肥料を与えてやると、立派に大きく成長します。これと同じことが、ヒトにも言えるのです。

 例えば、専門職大学院のMOT(技術経営)コースのように、高度で専門的な教育プログラムのことを考えてみましょう。ここでは年齢も実務経験も全く異なる人たちが、机を並べて学生として学びます。大学を卒業したばかりの若い人から、企業で十分な知識と経験を積んできた中年の人まで、実に様々です。

 このような学生たちが同じ教室で学んでも、ビジネス経験の有無や深浅の程度によって、得られる知識の大きさや深みに差が出てきます。企業の現場で生きたビジネスの経験を積んだ人であれば、自らの経験と授業で学んだ知識を結びつけたり、論理で裏づけたりできます。つまり、自ら実感して体得できるのです。

 

 一方、企業での現場経験がない人に、経営戦略や技術戦略、マーケティングの話をしても、机上の空論になってしまう恐れがあります。自らの経験と結びつけることができないので実感がわかず、漠然とした概念しか理解できないのではないでしょうか。これではMOT教育の効果は上がりません。問題は、年齢も経験も大きく異なる人たちを、一緒に教育してしまうことです。

 同じことが、企業の教育現場にも言えます。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長