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カップヌードルの父、安藤百福氏の偉大な功績

  • 奥井 規晶

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2007年1月15日(月)

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 1月5日、日清食品(2897)の創業者である安藤百福氏が亡くなった。安藤氏は1958年に世界初の即席麺「チキンラーメン」を、71年には世界初のカップ麺「カップヌードル」を世に送り出した。

 58年と言えば、昨年話題になった映画「ALWAYS 三丁目の夕日」やリリー・フランキー氏の大ヒット小説『東京タワー』の頃であり、71年と言えば大阪万博の翌年だ。日本経済が戦後の混乱から復興し、高度成長を遂げる時代とともに同社が発展してきたと言える。氏が掲げた「食創為世」は、企業にとって最も大切なのは創造的精神であり、独自の製品を生み出して世の中に新しい文化を作り出すことが究極の目標である、という崇高な理念である。それを実際に体現し、独創性の大事さを日本企業に知らしめた氏の功績は極めて大きい。心よりご冥福をお祈りする。

カップ麺に見る和魂洋才

 日清食品は、今や毎年100億食の即席麺を世界中で販売している。即席麺は既にハンバーガーと並ぶ世界的な食品と言ってもよい。それが日本から生まれたのは、まさに和魂洋才の勝利だろう。

 そもそも「即席」になる前のラーメン自体が和魂洋才の産物である(洋才といっても、この場合は中国ではあるが)。最も早い記録では、330年ほど前に水戸黄門が中国伝来のラーメンを食べたらしいが、中国の「拉麺」と日本のラーメンとは随分違う。私も中国で本場のラーメンを食べようと意気込んで探したが、それらしいものはなかった。

 日本のラーメンの起源を探ると、約100年前に横浜中華街で華僑が食べていた「湯麺」が全国に広まったという説が有力だ。横浜の「ラーメン博物館」、お台場の「ラーメン国技館」などを見ると、「ラーメン」はもはや完全に各地域に根ざした和食として親しまれている。

 次に「即席」の部分であるが、ここはまさに和魂である。チキンラーメンで言えば、チキンエキスで味つけをした麺を油で揚げて乾燥させる「瞬間油熱乾燥法」を独自開発した。エキスが染み込んでいるので、お湯をかけるだけで食べられる。ちなみに、チキンラーメンと同時期の加工食品には、52年に生産開始された「魚肉ハム・ソーセージ(かまぼこの製造技術を応用)」、53年発売の「粉末ジュース」、「お茶漬け海苔」等がある。

 「カップ」に関しては、日本人が得意な「すり合わせ技術」の成果である。国際的に通用する製品を目指すために、フォークでも使えるようにカップの形状を工夫し、機内食のミックスナッツ缶のふたにヒントを得てカップの密閉法を開発した。

 麺は、それまでのインスタントラーメンよりも外径を小さくし、厚みを倍増させた。それをカップに入れる方法にも、創意工夫があった。カップヌードルの麺はカップの底にポトリと落ちているわけではない。麺はカップの側面に支えられる宙吊り構造になっている。この構造によって、輸送中に麺が壊れるのを防ぎ、さらにお湯を注いだ時に麺全体がムラなくほぐれるのだという。こうした麺の収め方は、下においた麺の上からカップをかぶせるという逆転の発想によって生まれたらしい。

ジャパニメーションとカップヌードル

 日清食品は広告も独創的なことで知られる。私が、最近のテレビCMでは珍しく「もっと見てみたい」と思った作品がある。宇多田ヒカルの音楽が流れるアニメーションで、そのストーリーは、未来の月社会で「絶滅した地球」に疑問を持つ主人公の少年タケルが地球を見に行く、というもの。何回かのシリーズもののようだが、場面のどこかで登場人物がカップヌードルを食べている。そう、これはアニメの宣伝ではなく「カップヌードル」のCMなのだ。カップヌードルは若者にとって自由の象徴であり、その普遍的なコンセプトを、タケルという若者を通して描き出している。

コメント5件コメント/レビュー

リリー・フランキー氏の「東京タワー」は(リリー氏が生まれて)1963年以降の話で、筆者が指摘する時代とは10年程度のずれがみられます。きちんと事実確認の上執筆されることをお薦めします。(2007/01/17)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

リリー・フランキー氏の「東京タワー」は(リリー氏が生まれて)1963年以降の話で、筆者が指摘する時代とは10年程度のずれがみられます。きちんと事実確認の上執筆されることをお薦めします。(2007/01/17)

記事よりコメントの方が面白い不思議なコラム。今回は挑発力不足と見た。(2007/01/16)

高がカップラーメン、然れどカップラーメンですね。子供の頃、自販機から出るお湯をカップに注ぎそれをフォークで食べるところがお洒落で洋風な感じがして気に入っていました。懐かしいです。次回も「和魂洋才」楽しみにしております。(2007/01/15)

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