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もっとリアルに活用できる「ウェブ2.0」

2007年1月18日(木)

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 2006年に大きく取り上げられた話題の1つが、ウェブ2.0だったことは間違いない。グーグルやYouTubeについての記事、書籍が数多く登場し、ロングテールやCGM(Consumer Generated Media)というコンセプトが語られてきた。

 ただ、一部の先進的な人々を除けば、大多数のビジネスパーソンは、いまだウェブ2.0を「トレンドについてのお勉強対象」としてしか捉えていないようだ。「何か新しいことが起こりつつあるようだが、当面自分のビジネスに直接は関係しない」というのが大方の意見だろうし、「(ネットでの口こみマーケティングや広告展開を除いては)自分のビジネスにウェブ2.0をどう活用できるか、さっぱり分からない」というのが本音かも知れない。

 中長期的に大きな変化をもたらしそうな事象であるウェブ2.0と、現在の自分のビジネス戦略とを結びつけて考える。そのために有効な手法の1つは、古典的な「コスト戦略」というレンズでウェブ2.0を眺めてみることだ。慣れ親しんだ従来型ビジネス戦略の視点でウェブ2.0のコスト優位性を深く考えていけば、いろいろな示唆が出てくる。

「タダ」でどんどん参加してもらう

 例えば「セカンドライフ(Second Life)」というオンラインゲームがある。近々日本語バージョンが登場するということもあり、ご存じの方も多いだろうが、狭い意味での「オンラインゲーム」という概念だけではその全体像を捉えきれない面白い存在だ。

 セカンドライフという名前の通り、参加者は自分の分身(アバターという)を作り、その世界の中で生活し、楽しみ、モノづくりをし、それを売り買いすることすらできる。その気になれば、この世界の中での収入で生計を立てることすら可能だ(ちなみに、セカンドライフの世界で使われるリンデン・ドルという通貨は、実際に米ドルに交換することができる)。1月7日の段階で、約240万人の参加者が世界中におり、その日1日の「経済活動」は、米ドル換算で約100万ドルに達しているという。

 簡単に言えば、「3DのCG(コンピューターグラフィックス)で、かなりリアルに感じられる仮想世界を用意しました。その中でやりたいことをどんどんやってください」ということなのだが、参加者自身が自分で、ありとあらゆるものを作り上げていく、というところがミソだ。

 用意された様々なツールやプログラム言語を使って、参加者が、自分の衣装、住居、乗り物、といった自分の世界を作ることができる。また、他人に売るためのファッションやエンターテインメントコンテンツを作ることもできる。セカンドライフ側は、仮想世界の基本骨格とツールだけを用意し、その後、幾何級数的に増えていくアバター、そしてアバターたちの活動が生み出すコンテンツ、すなわち日々進化していく仮想世界の大部分は、参加者たちが知恵と時間を使って作っていってくれる。

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「もっとリアルに活用できる「ウェブ2.0」」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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