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メンタルヘルス対策における「従業員支援プログラム」活用法【後編】

  • 前田 陽司,田中 亨子

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2007年1月24日(水)

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EAP業者の電話カウンセリングを受けていた従業員が自殺未遂をしたが、業者に説明を求めても守秘義務を理由に断られた。この従業員への対処と今後の業者への対応はどうしたらよいか。

 相談内容の詳細は前編をご参照ください。>>

会社は、Sさんに対する責任を免除されない

 Sさんは、うつ病から自殺未遂を起こしています。前回までのアドバイスで、何度か説明しましたように、会社には、従業員の健康に配慮する義務(健康配慮義務)があります。そのため会社は、Sさんがうつ病になっていることに気付かずに放置し、とうとう自殺未遂にまで走らせてしまった点ついて、Sさんから健康配慮義務違反による損害賠償を請求される可能性があります。

 今回のケースでは、会社はEAP業者に、うつ状態のスクリーニングと電話カウンセリングを委託していました。そのため、会社としては、「EAP業者に委託していたのだから、会社の責任は免除され、EAP業者が責任を負うべきだ」と主張したいところかもしれません。しかし、会社は、従業員の健康管理をEAP業者に委託したからといって、健康配慮義務を免除されるわけではありません。この場合、会社には、健康配慮義務の一環として、EAP業者による任務遂行を監督する義務が生じますから、EAP業者の行為についても、原則として責任を負うことになるのです。

会社は、EAP業者に損害賠償を請求できる場合がある

 上記のとおり、会社のSさんに対する損害賠償義務は免除されませんが、その一方で、会社は、EAP業者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。EAP業者が委託契約上の義務に違反していた場合、会社はEAP業者に対して、契約違反による損害賠償を請求できるためです。

 今回のケースでは、Sさんには、EAP業者のHPで「うつ病」との判定が出ており、また、電話カウンセリングでも自殺を仄めかしています。しかし、EAP業者は、Sさんにうつ病の疑いがあることについて、会社には一切報告をしていません。

 会社・EAP業者間の委託契約により、EAP業者に、「従業員にうつ病の疑いがあることを会社に報告する義務」が発生していた、といえる場合には、EAP業者が報告をしなかったことは、委託契約上の義務違反となり、損害賠償請求の対象となります。では、どのような場合に、EAP業者にこのような報告義務が発生していた、と認められるのでしょうか。

 まず、委託契約書にこのような報告義務が明記されている場合には、EAP業者に報告義務が認められる可能性は高いでしょう。しかし、相談内容をみる限り、今回のケースでは、委託契約書に報告義務についての記載はないようです。

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