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日の丸半導体、天下分け目の正念場

半導体の“VISTA不況”を復活へのチャンスに変えられるか

  • 若林 秀樹

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2007年2月8日(木)

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 あの時に似ている──。

 1月30日、米マイクロソフトの新OS(基本ソフト)「ウィンドウズVISTA」が発売された。テレビが流す秋葉原に集った人々の姿に、いま一つ盛り上がりに欠ける空気を感じながら、私は11年前のことを思い出していた。1995年11月にウィンドウズ95が発売された時の熱狂は凄まじいものだったが、脳裏に浮かんだのはそのことではなく、その後にやってきた半導体市況の崩落と日本メーカーの凋落である。

日本の半導体メーカー、転落の始まりは「ウィンドウズ95」

 ウィンドウズ95は当時としては画期的なOSであり、パソコンを一気に普及させた。ハイテク業界と株式市場は熱狂した。特にパソコンへの供給が大幅に増えたDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)は、OS発売の1年以上前からずっと品不足が続いていた。

 パソコンのコスト全体に占めるDRAMの割合は当時7~8%だったが、それが15%近くにも達していたのである。OS発売の時点では、DRAMの供給不足はまだ続くという見方が大勢を占める中、当時、アナリストであった私は、市況崩落の時は近いというスタンスに立った。

 勝負の時である。市況悪化を前提に半導体関連銘柄を「強気」から「弱気」に転換したことに対する業界や投資家からの反響、反発は猛烈だった。「弱気なのは君だけだ」「大げさだ」「好況に水を差すな」「それでもアナリストか」…。半導体関連株を大量に保有していたある有名な海外機関投資家は、「お前は嘘つきだ。勉強し直してから来い」と言って、有名外資系証券会社の強気のリポートを突きつけて私を追い返した。

 しかし、私の予測は的中してしまう。OS発売直後の年末年始にパソコンメーカーが在庫の放出を始めたのが“峠”だった。下り坂を転がり始めた市況はもう止められない。96年にDRAM価格はなんと70%近くも暴落し、大手半導体メーカーは軒並み減益となった。

 しかも、この市況悪化は日本の半導体メーカーの転落の始まりでもあった。

 95年の半導体売り上げランキングは、1位こそ米インテルだったが、2位から4位をNEC、東芝、日立製作所が占め、8位と9位にも富士通、三菱電機がいた。全体で日本勢は40%のシェアを占める圧倒的な強さを誇っていた。

 しかし、96年から始まったDRAM市況の大変動の波に翻弄されたうえに、2001年のIT(情報技術)バブル崩壊によって日本勢はとどめを刺されてしまった。DRAMから撤退するメーカーが相次ぎ、三菱、富士通は圏外に脱落。上位5社になんとか残ることができたのは東芝だけ、日本勢のシェアは20%台へと半減したのである。

早くも「VISTA不況」の気配、あの悲劇が再び?

 あの悲劇が再び繰り返されるのではないか──。そう考えてしまう材料が一通り揃っている。

 11年前と市場構造は大きく変わり、パソコン依存度は減り、デジタル家電向けが増え、参入メーカーは減った。だが、今でもDRAMは半導体市場の15%程度を占め、全体の先行指標となることが多い。

 2006年は、VISTA発売を控えてパソコンメーカーからの先行発注が相次いだうえに、歩留まり悪化という技術的な問題も重なり、DRAMは品不足傾向にあった。年後半からの充足率は70%前後と低迷が続いた。スポット(小口、投機的な取引)市場で主流の512メガビット(メガは100万)の「DDR II」の価格は夏頃に1個5ドル前後だったものが12月には7ドル弱まで高騰した。パソコンのコストに占めるDRAMの割合は、通常5~10%に対して15%近くにまで上昇した。

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