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ゼロ金利、長く続けば、刺激ゼロ

2007年2月15日(木)

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 8年間も続くゼロあるいはゼロに近い超低金利が続いたという事態は、他に例を見ないでしょう。

 「超低金利は、景気に好影響を与えるのだ」という信仰にも似たものが、こうした“異常”事態をもたらしたはずです。「公共投資は景気を刺激する」という信仰も根強いものがありましたが、景気が拡大し続けているのに国や地方の借入金の額が膨張してしまった状況に「何事も盲信はいけない」と思っている人もいるはずです。

超低金利は本当に景気を刺激したのか

 「ゼロ金利は景気を刺激する」と言いますが、「刺激」になるのは条件があります。一時的な措置なら刺激と言えますが、長期間に及ぶと、最初は刺激になっても、次第に刺激に感じなくなるはずです。辛さに弱い人が辛いモノを食べさせられると、最初は大変ですが、8年間も食べ続ければ次第に慣れて、ついにはその味が癖になってしまうでしょう。

 ゼロ金利は何を「刺激」したでしょうか。まず思いつくのは銀行と不動産です。ただ同然でお金を集めて作った商品を安くしないのですから、利益は自然に上がります。だからこそ、ここ数年金融機関と不動産が急に活況を呈しました。

 メガバンクの中には、経常利益が1兆円を超えるところもあります。利益を上げることを非難するつもりはありませんが、つい最近まで不良資産に苦しんでいた金融機関が、今、巨額の利益を上げているのは、自助努力による事業基盤の強化だけでは説明がつかない部分があると思います。

 低金利は円安を誘導しています。金利の付かない円は、付く外国の通貨より価値を低く見られてしまいます。円安は輸出中心の企業に有利です。現地の通貨で稼いだ利益を円に換算すれば、金額は膨らみます。それはあくまでも計算上のもので、実力で増えたとは言えないものです。

 2006年の決算は過去最高益を計上した企業が続出しましたが、収益力が強くなったために利益水準が上がったとは言い切れません。それでも数字が良くなれば、株価は高くなります。日経平均株価は2005年の春から上がってきましたが、算出に使っている225社を見ると、金融と輸出企業が多いことに気づきます。

 もちろんここ数年の株高は諸所の構造改革で日本経済や日本企業の地力が増したことを評価された部分もあるでしょう。しかし、いざなぎ超えと呼ばれる長期の景気上昇にいまひとつ実感がわかないのは、ゼロ金利で底上げされた部分もあるのです。

 本当の成長とは、新しい価値の創造にあると思います。価値の創造に投資が向かえば、自律的で、持続的な成長を後押しするでしょう。ゼロ金利は貯蓄から投資に資金を向かわせる策として継続して、果たして資金は投資に回ったのでしょうか。

ゼロ金利は個人マネーを投資に向かわせたか

 個人金融資産を見てみると、2006年第1四半期時点で1506兆円と言われています。うち現預金は771兆円で51.2%です。株式は11.8%、投資信託は3.7%です。2000年当初は1424兆円でこの時点では、現預金は52.3%、株式は10.7%、投信は2.2%なので、比率はほとんど変わっていません。

コメント46件コメント/レビュー

「満州事変はなぜ起こったか?」ご存知でしょうか?その一因となったのが「昭和恐慌」です。昭和恐慌とは、まさに「未曾有のデフレ恐慌」であり、農村では人身売買が行われるほどの有様で、この世相を悉く利用したのが、当時の軍部でした。彼らは人々の不満を「政府」や「企業」に向けさせ、インフレ政策によりようやく出口を探り当てた高橋蔵相を2.26時件にて葬り去ります(インフレ政策実施後、増加の一途を辿る軍部の予算要求を退けたため)。一方、当時のマスコミの論調は、「金解禁政策によるデフレ進行」と「緊縮節約財政」を賛美し、インフレ政策を糾弾しました。どこかで見たような景色ですね。この10年の日本と似ていませんか?長引く不況で人心は不満がたまっており、デフレ脱却への金融緩和政策は大企業優遇とマスコミが批判、宋さんのブログもすぐに炎上?する有様。当時の歴史を正確に学んだ学生は、経済学部の大学生でも少ないでしょう。日中戦争がデフレだけで始まったわけではありませんが、ほとんどの世界史で、戦争に結びつく要因として、不況が顔を出します。「ゼロ金利が続くから不満がたまっている」という表面の理解ではなく、この10年に至った要因をぜひご理解ください(これはバブル崩壊後の金融緩和が相当遅れたからです)。また、1930年から1945年までの日本史もぜひご参考ください。今のようなご認識では、単に世論を煽っているだけの当時のマスコミと同じレベルです。(2007/02/28)

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「満州事変はなぜ起こったか?」ご存知でしょうか?その一因となったのが「昭和恐慌」です。昭和恐慌とは、まさに「未曾有のデフレ恐慌」であり、農村では人身売買が行われるほどの有様で、この世相を悉く利用したのが、当時の軍部でした。彼らは人々の不満を「政府」や「企業」に向けさせ、インフレ政策によりようやく出口を探り当てた高橋蔵相を2.26時件にて葬り去ります(インフレ政策実施後、増加の一途を辿る軍部の予算要求を退けたため)。一方、当時のマスコミの論調は、「金解禁政策によるデフレ進行」と「緊縮節約財政」を賛美し、インフレ政策を糾弾しました。どこかで見たような景色ですね。この10年の日本と似ていませんか?長引く不況で人心は不満がたまっており、デフレ脱却への金融緩和政策は大企業優遇とマスコミが批判、宋さんのブログもすぐに炎上?する有様。当時の歴史を正確に学んだ学生は、経済学部の大学生でも少ないでしょう。日中戦争がデフレだけで始まったわけではありませんが、ほとんどの世界史で、戦争に結びつく要因として、不況が顔を出します。「ゼロ金利が続くから不満がたまっている」という表面の理解ではなく、この10年に至った要因をぜひご理解ください(これはバブル崩壊後の金融緩和が相当遅れたからです)。また、1930年から1945年までの日本史もぜひご参考ください。今のようなご認識では、単に世論を煽っているだけの当時のマスコミと同じレベルです。(2007/02/28)

「いよいよ関東軍の進撃が始まった・・・」宋さん気を悪くしないで下さい。政府の意向を一切無視し、自己目的に向けて突き進む様が、日銀=関東軍、と揶揄されています。彼らは昨年4月の展望レポートにおいて、消費者物価の見通しを、秋口には0.5%後半、2007年度には1%越えと予想しながら、この見通しが狂い始めていることは一切認めず、ひたすら「政策金利の1%乗せ」を目指して侵攻を続けております。作戦の口実として、「円安阻止」「米国景気の安心感」「一部不動産価格に不穏な動き」などを使い分け、「ここで停止するとリスクが生じる。そのリスクが何かは軍事機密ゆえ説明しない」と突っぱね、外野からの声には「統帥権の侵害」として拒絶しました。「御前会議の内容」を洩らすなど、情報管理は稚拙です。この侵攻により「貧しい農村を開放し、大企業の富を取り返す」というのが世間への主張で、青年将校や一部政治家にも賛同を得ております。いずれ世界から厳重な監視が入るでしょう。(2007/02/26)

まずは、「デフレ」にたいするご認識がないという点で、大多数の「ゼロ金利批判派」とほぼ同じかと思われます。売上=数量×単価、ですが、物価下落が持続するデフレ時においては、「健全な企業でさえ売上減少で市場から退出する」事態となり、長期不況が長引くこととなります。インフレ率がマイナスでも、金利はゼロ以下にはなりませんので「モノ」と「カネ」を比べると、デフレ時は「モノ」よりも「カネ」を持つほうが有利。よって借入主体は少しでも借金の返済に動きます。逆にインフレ時は、「カネ」よりも「モノ」を持つのが有利。借金をしてでも不動産等を持とうとします。「8年間もゼロ金利なのは世界では日本だけ」とのご指摘ですが、消費者物価上昇率がゼロ以下に落ち込んでから10年以上経ちます。このような国は世界で日本だけです。低金利を続けてもマネーが動いていないというのは、まさにまだデフレであり、「需要不足」の証拠です。この「需要不足」への対処として、「財政政策」と「金融政策」があります。日本はまず「財政政策」を連発しましたが、効かないため、90年代初めから指摘された「金融政策」に遅れて舵を切りました。この教訓を生かしたのが、2000年以降のグリーンスパン議長であるのは有名です(実質金利マイナスまで金融緩和し、デフレ突入を阻止しました)次の論点ですが、預金金利が上がるとどうなるか?受取利息が増えますが、これは誰が負担するか?銀行ではありません。預金は銀行のバランスシートの右側、すなわち負債であり、調達コストの上昇、よって、運用側でこれをカバーします。即ち、貸出金の金利上昇です。負担者は「借入主体」となります。体力のある企業はいいが、中小企業はどうでしょうか?経済がデフレ状態だと、かなり厳しいでしょう。人件費抑制などに動くので、パートタイマーなどは真っ先に切られそうです。住宅ローンがないから関係ないと思っている方でも、勤務先の体力次第で影響が出そうです。金利引き上げが、弱者を助けるどころか、むしろ挫く方に働かないのか、今一度検証すべきでしょう。それはまさに、「デフレかどうか?」との点です。2月の日銀金融経済月報では、当面消費者物価指数がゼロ近辺で推移との認識をしていましたので、今回の利上げは、かなり「確信犯的」といえるでしょう。福井総裁が第二の速水総裁にならないことを祈るばかりです(2007/02/26)

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