国際的に高い認知度を誇るディズニーブランドやピクサーブランドをはじめ、スタジオジブリ作品、プロダクション・アイジー(I.G)の「イノセンス」など国内の著名なアニメ作品のソフト販売を取り扱うブエナビスタホームエンターテイメント。その日本代表を務める塚越隆行氏に、現在のDVDマーケットの状況と、ビジネス展開の“次の手”を聞いた。
――国内のアニメ関連業界から、「ここにきてDVDの売れ行きが鈍化している」という声が上がっています。ディズニーブランドをはじめジブリ作品、実写映画・ドラマのDVDも取り扱う立場から、国内のDVDマーケットの現状をどう見ていますか。
塚越隆行・ウォルト・ディズニー・ジャパン/ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント日本代表
かつてのビデオマーケットはレンタルが中心で、セルは少なかったのですが、ここ数年のセルDVDマーケットは、家庭にDVDプレーヤーが普及したのに伴い、カタログ(旧作)も新譜も両方とも伸びていました。
しかし、2006年はカタログの売り上げが鈍化しています。各スタジオ(=映画会社やビデオメーカー)も、人気のある作品からリリースしていきますので、(売れる作品が減ってきて)需要が一巡したという状況ですね。
一方、レンタル市場は、実は今でも出荷が伸びているんです。日本映像ソフト協会(JVA)のデータを見ると、昨年1月から11月までの金額ベースの累計で、セルは約1912億円で前年比87.6%なのに対して、レンタルは約932億円で129%と伸びています。
旧作が一巡。脱出のカギは新ジャンル創出
セル、レンタルのトータルでは98.1%と、マーケット自体は、まあ堅調といったところでしょうか。ただ、好調に見えるレンタルの方も、いずれこの伸びも止まるでしょう。これまでレンタル店は、VHSとDVDの在庫の両方を持ってきましたが、現在はVHSの在庫を減らして、DVDの在庫を揃えている過渡期です。DVDでカタログの全部が揃った段階で、ここも一巡するんですよ。
――国内のマニア向けアニメ作品はレンタルよりもセルが中心ですから、影響は大きいわけですね。今後は、旧作のビジネスが一段落すると、新作がビジネスの中心になり、これまで以上に作品の質が問われるようになっていくのではないでしょうか。
ええ、カタログの厚みだけではなく作品そのものの戦いになるでしょうね。それに加えてコーナーやジャンルの設定が重要になると思います。特にうちは、コーナーの展開次第でマーケットは変わると思っています。
僕がよく引き合いに出すのは「韓流」なんです。ちょっと言葉的には旬を過ぎた感じもしますが、「韓流」というジャンルは数年前にはなかった、新ジャンルです。
もちろん、「シュリ」といったような“韓国の面白い映画”というのはありましたけど、「韓流」というジャンルが日本にできたのは2004年くらいでしょう。中高年の女性を中心にブームとなりマーケットができた結果、今は「韓流」は1つのカテゴリーになっている。これは消費者を取り込んで立ち上がったジャンルの1つの例ですよ。
こういうことを我々もマーケティングしなきゃいけない。作品として、またはカテゴリーとして面白い映像を楽しむ提案ということでね。その意味で、僕らが一番やりたいジャンルの開発は“ファミリー”なんですよ。
――“ファミリー”というジャンルは、すでにあるんじゃないですか。それこそディズニーのアニメ作品などが置いてありますよね。
いや、そこに大きな誤解があるんです。「キッズ」はあるけど、僕が求めている“ファミリー”というジャンルは日本にはないんですよ。
つまり、今は子供に見せるものを“ファミリー”としてマーケティングしている。それは間違いだと思うんです。
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