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ファイナンスは「飛び道具」であってはならない
~みずほ銀行ビジネスソリューション部ニュービジネスチーム逸見圭朗次長(後編)

アニメ・ビジネス・フォーラム2007@NBonline

  • 中村 均

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2007年2月26日(月)

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――前回伺った「製作委員会」方式と並んで「ファンド」方式も注目されていますが、こちらは、どういう仕組みですか。

 ファンドとは複数の資金の出し手からお金を預かり、それを作品のビジネスに投資するものです。作品が当たって利益が出れば、投資した人たちに配当があります。これは商法上の匿名組合契約に基づく組合ですね。

匿名組合方式ファンドによる資金調達

匿名組合方式ファンドによる資金調達

 多くの場合、コンテンツを制作する会社などが営業者(実質的な運用者)となり、そこが著作権のすべてを保有します。いわゆる「映画ファンド」と呼ばれるもののほとんどがこの仕組みを採用しています。

 最近では、5万円とか10万円程度の小口資金で投資ができるような、個人投資家を対象としたファンドが登場しています。ただし、個人投資家にオープンされるようなものは、一般に投資利回りよりもプロジェクトそのものの宣伝効果を狙ったものの方が多いですね。

――信託方式、ファンド方式以外のファイナンス方法についてはいかがでしょう。

特別目的会社(SPC)は著作権者が特定しやすいメリットが

 最近では、SPC(Special Purpose Company=特別目的会社)を使った手法もあります。SPCを特定の1つの作品に関するビジネスを行う会社として設立することで、資金の流れを明確化するほか、当該作品の失敗のリスクを本体事業から切り離すことができます。

 このSPC方式のメリットは、著作権の所有者が単独で分かりやすい点です。実は、前出の製作委員会方式は出資者が多い分、「著作権が散逸しやすい」「新たに当該著作権を活用しようと考えたときに構成員の同意が得られずに収益機会を逸する」ことがあります。

 従ってSPC方式は、匿名組合方式と同様に、この問題点をカバーするために用いられることもあります。

 仕組みを説明すると、映像化(アニメ化)する権利をSPCに譲渡し資金を調達します。いくつかの取引が同時並行で行われますが、それらを分解すると、SPCは投資家との間で匿名組合契約を締結したり、金融機関から借り入れしたりして資金を調達。その資金が、映像化の権利をSPCに譲渡した制作会社に支払われるわけです。

SPC(特別目的会社)による資金調達

SPC(特別目的会社)による資金調達

 SPCが金融機関から資金を調達する場合は、作品そのものの将来性(=当たるか否か)に準拠して、金融機関は資金を拠出することになります。

 このほか、作品が完成した場合に、ビデオメーカーなどからDVDに関するMG(ミニマムギャランティー=DVDを発売するための最低保証金額)を提示してもらい、それを資金の返済原資として考え、SPCに対して資金拠出する場合もあります。このケースでは作品がヒットするかどうかのリスクは、MGを出す会社のコーポレートリスク(企業の信用度)に転嫁したことになります。なぜなら、MGを支払う企業が大企業で資金的に健全であれば、作品が当たろうが当たるまいが、将来確実にMGは入るので、入金までの間のつなぎ資金として出すことができるからです。

表

 また、SPCとは性格が異なりますが、最近の新しい動きとしては、LLC(Limited Liability Corporation=合同会社)やLLP(Limited Liability Partnership=有限責任事業組合)の活用も盛んになってきました(図参照)。これらは米国のパートナーシップに近い組織形態ですね。フジテレビジョンとプロダクション・アイジー(I.G)、あるいはNTTドコモと日本テレビのLLP設立などのニュースを目にした人も多いのではないでしょうか。

 今後はLLPでの資金調達が活発化することが考えられますが、金融機関からLLPへの資金の貸し出しに関しては、その法人格の取り扱い等からクリアしなければならない点が多いのも事実ですね。

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