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アニメ制作会社はどう“儲ける”べきか
~プロダクションI.G 石川光久社長インタビュー(前編)

アニメ・ビジネス・フォーラム2007@NBonline

  • 中村 均

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2007年3月2日(金)

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 世界の映像クリエーターをうならせた「攻殻機動隊」シリーズを、看板タイトルとして持つプロダクション・アイジー(I.G)。スタジオジブリと並んで日本製アニメのトップブランドとして評価される作品の品質とともに、堅実なプロダクション経営でも定評がある。社長の石川光久氏に話を聞いた。


――ここ最近のアニメ業界ではあまり元気のいい話が聞こえてきません。「イノセンス」「スチームボーイ」「ハウルの動く城」といった大作が公開された2004年が、いろいろな意味でピークだったのではないかという声もあります。実際、どう感じていますか。

 2006年は「静か」という見方もあるかもしれないけど、むしろ業界としてみたら成熟した年だったとも言えるよね。

――その“成熟”という言葉はどういう意味なんですか?

 1つ例を挙げると、アニメ制作会社における利益構造の確実性が問われたってことじゃないかな。

安定した利益なくして投資なし

石川光久・プロダクションI.G社長

石川光久・プロダクションI.G社長

 なぜなら、常に安定した利益を出す構造がないと、新しい作品への投資資金の循環ってないわけですよ。その利益構造があることで資金の循環がある。資金の循環というのはイコール、継続してモノが作れる資本、ということなんだよね。

 ほかの制作会社は内情を知らないから、うちのことしか言わないけど、僕はいつも2つ考えている。

 1つは、質の高い作品を作ることが現場にとってはすごく大事なことで、そのためには制作費は少ないよりも多い方がいい。多い制作費をもらって質のいいものを作るということが大前提で、下請けから20年間ずっとやってきた。これについては、きちんとしたI.Gというブランドが確立したこともあって、ある程度できてきたという感じがする。

 次にやるべきことが、さっき言った資金の循環。ここはすごく自問自答しているんだけど、単に多くのお金を集めるということではないんだよね。高い予算で作って、“いいもの”を作ったからと言ったって、それで利益が出ていなかったら循環にはならない。だって儲からない作品しか作れない会社に、製作委員会は投資してくれないよね。そうなったら、次の作品はないんだから。

「BLOOD+」だって、ビジネス的には黒字

 視聴率では今一つだった「BLOOD+」だって、ビジネス的には黒字だよ。特に海外ビジネスで稼いだ。最近の日本アニメの米国向け相場は2万から3万ドルと言われているけど、この作品はその倍以上の高値で販売できたからね。

「BLOOD+」

「BLOOD+」
(C)2005 Production I.G・Aniplex・MBS・HAKUHODO

――出資している委員会のメンバーにとっても、まず利益が重要ですよね。

 もちろん。そう思うと製作委員会という組織は機能として洗練されてきたんじゃないかな。実際にアニメを含めて日本の映画の状況を見ればつくづくそう思う。

 つい数年前までは洋画が強かったと思うんですよ。それが今こう見ると、邦画はアニメーションもそうだし、実写の映画もそうだし、洋画に拮抗してきた。この背景には、配給会社や映画会社の大手が自分のところの機能だけで全部やっていたものを製作委員会のスタイルにしたことがあるんじゃないかな。それに、今の委員会には、テレビ局やビデオメーカーだけじゃなくて、僕たちのような制作会社も出資できるようになってきたのも大きな変化だよ。

 昔の製作委員会は、はずれたときのリスクヘッジの狙いの方が大きかったと思うんだけど、今は利益構造を重視した組織になっている。出資者それぞれが大きなビジネスにしようと、協力するようになってきたしね。

制作委員会は「攻め」のために機能する

 もともとリスクヘッジという観点から委員会方式はスタートしたのかもしれないけど、それがヒットを生み出すことの足かせにはなっていない。逆に、例えば東映は東映、東宝は東宝という具合に、1社で全部やろうとすると、どうしても失敗が怖くてビジネスは守りに入っちゃう。だから制作費も上がらない。カネがかけられなければ、やはりいいものはできない。そしてそういうものはヒットしないから利益も出ない――となっちゃうわけ。

 今の製作委員会は逆で、大きなビジネスにするために各社が協力する。大きくしたいから制作費も増やす。映画の場合であっても収益源を多様化して、興行収入のみに頼ったようなマーケティングにはせずに、DVDやPPV(ペイ・パー・ビュー)や、海外でのビジネスなど総合的に組み立てていくようになってきた。まあ、海外に関してはまだ課題も多いけどね。

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