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イノベーション実現を支える「扇の要」とは

華やかなイノベーション論議に付け加えたいこと

2007年2月15日(木)

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 イノベーション論議が華やかだ。政治、行政、そして経済論壇で、イノベーションについて、様々な議論がなされている。もちろん企業でも同様で、成長の2大原動力であるイノベーションとM&A(企業の合併・買収)を「いかにうまくやるか」について、経営の重要課題として取り組んでいる例はあまたある。

 産学協同や知的財産戦略といったイノベーションの「アイデア」に関しての議論、あるいは、理数系教育の充実、個人への発明の対価の分配といった「インフラ」に関しての議論、こういった論点の重要性については、全く異論がない。しかし、もう1つ、企業の中でのイノベーション実現のために見落としてはならない側面があると思う。それは、イノベーションを達成する「人」の側面、特にチームを率いる「プロデューサー」の重要性だ。

個人だけでは達成しがたいイノベーション

 企業の成長性を左右するような「イノベーション」は、ほとんどの場合チームでなされている。複数のスペシャリストを1つにまとめ、ビジネスの成功をもたらす「チームリーダー(プロデューサー)」なしには、優れた技術も大きなキャッシュリターンを生むことはない。

 イノベーション論の名著と言われる『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)の中に、既存の技術とモデルを一挙に陳腐化させる「破壊的イノベーション」の例が示されているが、このレベルのイノベーションは、誰か個人が新しい技術を発明したり、あるいは新事業のモデルを考えついたりしただけでは、到底実現しない。

 具体的には、デジタル写真(既存技術たる銀塩写真に対して)、携帯電話(固定電話に対して)、マイクロタービン・燃料電池などの分散発電(既存の電力会社に対して)、企業内大学(ビジネススクールに対して)、血管形成術(心臓バイパス手術に対して)などが、破壊的イノベーションの例として挙げられている。

 (ちなみに、これらの既存技術・モデルは、破壊的イノベーションによって、完全に息の根を止められたわけではない。しかしながら、既存技術・モデルを有する企業から破壊的イノベーションが登場しなかった背景には明白な理由がある、というのが同著の主要な論点である。お読みになった方も多いだろうが、念のため)

 これらの製品・技術や仕組みは、複数の個人、それも多くの場合、スペシャリストたちが集まったチームが形成され、チームがある方向に向かって、営々とした努力を続けた結果、初めて大きなインパクトを生み出したものだ。

アイデアとビジネスをつなぐプロデューサー

 こういったチームを成功に導くには、技術スペシャリストだけではなく、チーム内部をまとめ、外部と交渉し、そして最終的なビジネスとしての成功に向けて引っ張っていくプロデューサー役が不可欠だ。

 アイデア(あるいは事業のタネ)を考えつく創造性あふれる人々は、その創造性ゆえに、ビジネスとしての組み立てを考える上で、非現実的な解に固執しがちである。

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「イノベーション実現を支える「扇の要」とは」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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