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「良かれ」が及ぼす不幸

2007年3月8日(木)

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 前回はものすごい数のコメントをいただきました。ありがとうございます。いろいろな意味で皆さまから多くの注目を浴び、関心を持たれていることを意識して、今後も傍目八目の精神を発揮していきたいと思います。

 今回は“エネルギー”について考えたいと思います。「エネルギーだと。また環境か。なんて懲りないやつだ」とあきれられるかもしれません。しかし、これから触れるエネルギーは電気やガス、石油に関連することではありません。人の心遣いという“エネルギー”です。ただし、この気遣いエネルギーも使い過ぎると、地球環境にもあまり良くないとも思っているのです。

 例えば、今、買い物した品物を詰めるレジ袋が話題になっています。僕は以前から、日本では、なぜ商品をあれほど丁寧に包装するのか不思議でした。百貨店や高級スーパーでは、段ボールの箱にさらに紙で包装し、そして紙袋にまで入れてくれます。

 お店の人からすれば、お客さんに最大限の気遣いをしているつもりと思います。でも僕はこうしたあまりある丁寧な振る舞いを受けると、申し訳ないですが心地よさよりも、イライラしてしまいます。こう言うとまた怒られるかもしれませんが。

津々浦々に設置される自動販売機は消費者のため?

 日本全国、津々浦々に散らばる自動販売機も似たようなものに思えます。日本に来て驚いたのは、狐や狸しかいないような田舎の公園にも、自動販売機がズラリと並んでいることでした。海外なら、こんなに人通りが少ないところに置かれていれば、とっくに壊されたり、盗まれたりしてしまうでしょう。そうならない日本の治安の良さは誇るべきことですが、それを維持するために割く労力を考えると、果たしていいことなのかと考えてしまいます。

 大して販売量が見込めない所に配送するために、作業員が数トンの配送車を何十キロも運転してきて、わずかな数の缶やペットボトルの飲料を詰めては、また違う場所に行く。これは、果たして顧客にとって本当にためになっているのでしょうか。自動販売機を日本全国、隈無く設置すれば、商品の生産量は増やし、製造コストを下げられるかもしれませんが、販売に非効率な場所があれば、配送や管理コストを膨らまし、結局は売価の上昇を招いているのかもしれません。

 そしてATM(自動現金預け払い機)。日本のATMは全部ではありませんが、紙幣だけではなくコインも預け払いができます。ATMはそこまでやる必要があるでしょうか。皆さんはATMでどれくらいの頻度でコインの出し入れをしているでしょうか。コインが出ないより出た方が便利かもしれませんが、これも大局的に考えると本当に顧客のためになることとは限りません。

 コインを出すためには紙幣を出すだけより、ハードウエアやコンピューターシステムのコストを膨らまします。仮にそれが大したコストではないとしても、コインを扱うことで、ATMメーカーの社員のメンテナンス作業の工程は、確実に増えているはずです。それだけではなく、ATMを設置している金融機関の社員の管理業務も増やします。

 通常、労働者の労働時間が増えれば、人件費は膨らみます。作業が増えても、もろもろの効率化で人件費を抑制できるかもしれませんが、それがいつしか社員の精神的、肉体的健康に害を及ぼしてしまうこともあります。そうなれば、社会保障費が増加します。

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