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米国の日本占領政策に学ぶM&A成功の極意

2007年3月15日(木)

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 1939年9月、欧州で第2次世界大戦が勃発してすぐ、米国務省は、自国の参戦前に、対外関係諮問委員会(第1次委員会)を設け、戦後世界についての研究を始めたという。1941年12月の太平洋戦争勃発後、翌42年1月には第2次委員会を設置、同年夏には、その中の極東班が対日占領政策の立案を開始した。そして、これらの検討が、終戦後の日本を形作っていくプロセスに大きな影響を与えていった。

 以前、これらのことを五百旗頭(いおきべ)真・神戸大学教授(当時、現在は防衛大学校校長)から教えていただいた時には、本当にびっくりした。42年夏といえば、まだ、日本が緒戦の勝利に酔っていた頃である。その段階で、米国内の数少ない日本専門家を呼び集め、その視点で占領政策を立案し始めるというのは、準備周到という表現だけでは形容できない、「決着がついた後」に対しての深いこだわりがあって初めて可能になることだ。

適切に行われない「決着がついた後」の準備

 さて、現在の日本を覆う業界再編、M&A(企業の合併・買収)の流れは、とどまることを知らないようだ。毎日のように、何かしらの再編、M&A関連のニュースが報道されている。買収防衛の観点から、同業他社と合併して、時価総額を上げようとする動き。あるいは、日本企業を対象とした大量の買収資金の流入。さらには、総合商社や日系証券会社の「投資業」化。そして、成長戦略実現の大きな原動力としてのM&A活用。こういった様々な要素が絡み合って、次々に、新たな合併案件が成立していく。

 こういったニュースを目にするたびに、「決着がついた後」の準備がどれくらいなされているのだろうか、と考える。

 よく知られているように、大型の企業買収・合併案件のうち、かなりの割合が企業価値の純減に終わっている。要は、株主の視点から見れば、失敗に終わっているわけだ。

 もちろん、非常識なプレミアムを支払ったことによる「高値づかみ」の例も少なくないが、失敗例の多くは、合併後統合(PMI : Post Merger Integration)の不備による。企業風土の違いによる軋轢、優秀な人材の流出、不明確な責任権限とプロセスからくるシナジー未達成などなど、合併後統合の問題は、多くの企業に共通している。

 本来、先人の失敗事例があれば、その轍を踏まないようにする、あるいは、失敗の確率を下げるということは可能なはずだ。

コメント1件コメント/レビュー

(M&Aの話とは少しずれてしまうが)なぜ60年ほど前の米国は、こだわりをもって非常に早い段階で日本の統治政策を研究したのに、今のイラクではそうならないのか?何が昔と違うのだろうか?日本においても、明治維新の前後には、志・頭脳・行動力をもった何百人?かの人々が、自分たちの理想とする国家や藩の姿を実現しようと、こだわりをもって彼らなりの周到な準備を進めていたと思う。しかし現在の日本で、こだわりをもって周到な準備を進められる人々は政治家や官僚は少数派であろう。こだわりをもって事を進める人間が、その力を発揮できないのだろうか?あるいは、出現率自体が昔より減っているのだろうか?それとも、こだわりをもった人々のエネルギーが臨海点に達し、力を発揮するまでには、まだまだ時間がかかるのだろうか?(2007/03/24)

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「米国の日本占領政策に学ぶM&A成功の極意」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

(M&Aの話とは少しずれてしまうが)なぜ60年ほど前の米国は、こだわりをもって非常に早い段階で日本の統治政策を研究したのに、今のイラクではそうならないのか?何が昔と違うのだろうか?日本においても、明治維新の前後には、志・頭脳・行動力をもった何百人?かの人々が、自分たちの理想とする国家や藩の姿を実現しようと、こだわりをもって彼らなりの周到な準備を進めていたと思う。しかし現在の日本で、こだわりをもって周到な準備を進められる人々は政治家や官僚は少数派であろう。こだわりをもって事を進める人間が、その力を発揮できないのだろうか?あるいは、出現率自体が昔より減っているのだろうか?それとも、こだわりをもった人々のエネルギーが臨海点に達し、力を発揮するまでには、まだまだ時間がかかるのだろうか?(2007/03/24)

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