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起業、あきらめてもたらす幸せもある

  • 神谷 秀樹

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2007年3月13日(火)

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 私のところにサラリーマン生活に見切りをつけ、「起業家的な生き方をしてみたい」と言ってこられる方は結構たくさんいらっしゃる。一方、そういう方に実際に起業に向けて話を進めていくと、「自分にはできない」と早々に自覚し、退散する方も多い。

 起業、そして事業を成功させるには、膨大なエネルギーが必要だ。だがどんなにエネルギーを使って努力しても、成功するとは限らない。最悪の場合は、倒産というい悲劇に至ってしまう。日本の場合、倒産すれば、創業者個人だけではなく、親類縁者まで不幸を巻き込んでしまう危険性が高い。新興企業にリスクマネーを提供するエンジェルは、米国と比べるとまだ成長途上にあるため、創業間もない会社は創業者ないし経営者、そしてその親類縁者が資金の提供者になるからだ。

 こうした事情を考えれば、起業をあきらめた人に、「根性なし」とはとても言えない。あきらめることも1つの勇気と思っている。以下に紹介する当社がアドバイザーとして関わった、ないし関わろうとしたケースから、「根性なし」になる道を選ぶことだってあるのだと考えていただきたい。

見つかった粉飾

 私の大学時代の友人が銀行から転職し、財務を担当しているソフトウエア開発の会社があった。こうした縁や会社自体に将来性を感じたので、当社はそのソフトウエア開発会社とアドバイザー契約を結び、事業拡大策を一緒に練ることにした。しかし、途中で断念した。

 調査を進めると“粉飾”が出てきたからだ。ある大手電機メーカーからの発注が売り上げに立っていたが、よく聞くとそれは「ローン」だという。発注されたかのように見えて、その顧客の大手電機メーカーから現金が払い込まれているが、それは商品の納入代金ではなく、受け取った現金はいずれ返金する約束になっている、というのだ。

 「なぜはっきりローンとしないのですか」とそのソフトウエア会社に私が尋ねると、「顧客が『そう処理しろ』と言ってきたため」という返答を受けた。それを聞いて私は「ではどうやって決算を締めるのでしょうか。会計士がこんなものは承認するわけがなく、会計士が承認しないような財務諸表を持って資金調達することはできない」と進言した。それでも埒が明かなかったので、当社はその会社のアドバイザーから下りた。しかし、古くからの友人の勤める会社でもあり、その行く末が気にかかった。

6000万円を投資した創業者の婚約者

 そのソフトウエア開発会社の創業者には、婚約者がいた。婚約者は大手商社で働いた経験のあるしっかりした女性で、その会社では経理を担当していた。彼女は自分の貯金のすべてに加え、借り入れまでして、6000万円をこの事業につぎ込んでいた。

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