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あえて変わり者になれ

岡野工業社長 岡野雅行

  • 真弓 重孝

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2007年4月6日(金)

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カネを追いかけるから、カネが逃げていく。
人と違うことをするには、組織から浮いているヤツと組め。
教えるのではなく、感じそして学ばせろ。

「みながクルマを持っているなら、『じゃあ俺は戦車だ』と言う人間」と例えるように、岡野社長は自ら、変わり者と言ってはばからない。
過去最高益を更新しながら、「実感なき景気拡大」を実感する日本企業の中で、岡野工業が自らの強さをしっかりと感じているのは、「岡野流変わり者魂」が根底にある。その真髄を聞いた。

(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=真弓 重孝)


岡野流 ―― 【人材育成論】
「教えるな」

NBO: しばらくすると、多くの職場では新入社員を迎え、様々な教育を始めます。新入社員に限らず、人材育成は企業経営の根幹です。岡野工業流の人材育成法とは。

岡野工業 岡野雅行社長

「ちょっと前まで、どいつもこいつも『景気が悪い、悪い』って言ってたけど、聞いてて不思議だったね。だってうちは、仕事があふれて、断るのが大変なくらいだから」

(写真:川口 愛、以下同)

岡野: うち(岡野工業)は小さな町工場だから、大企業と違って懇切丁寧に教えるようなことはしないね。もっとも働いたことがないから、大企業がどんな教育をしているのかよく分からないが。

 うちの方針は、「教える」というより「学んでもらう」。「学んでもらう」を「感じてもらう」と言い換えてもいい。

―― それはどういうことですか。

 うちは大企業と違ってめったに人を採用しないけど、入ってきたヤツに最初に言うのは、「俺のやっていることを見ていろ」と。

 最初の1年間は何も教えない。俺の仕事ぶりを見て、うちでの仕事は、どんなものなのか、自分自身で学び、感じ取ってもらう。だから新入り1年目は、俺の姿を見ていることが仕事になる。

―― なぜ、最初は何も教えないのですか。

 それは当然だろ。こっちは新人であろうが給料を払っているんだ。そのうえに、さらに教えを施してやるなんて、ちょっと考えればおかしな話と思うだろう。教えてもらうなら、本来なら授業料を払って、「教えてくれてありがとうございます」と言うのが筋だろう。

 昔のことを言っても仕方がねぇが、以前ならば新人が入ってくると、その親御さんが「これからお世話になります」と言って、米や時にはお金を包んできたもんだ。

 そうすると、働くには、感謝の気持ちを忘れてはいけないっていうことを否が応でも学ぶ。自分の親がお礼までしているのを見れば、早く一人前になって、親に、そして職場の先輩や旦那さんに恩返しをしなくちゃならないと思うだろ。

―― それで1年間、仕事を見させた後は、どのように育てるのですか。

 1年辛抱できたら、ようやく仕事らしいことをさせる。例えばあるテーマを与え、それをクリアさせたりする。この時も、こっちがあれこれ教えることはせず、各自の工夫に任せる。

 うまくできるかどうかは、それまでの1年間で俺の仕事をどれだけ、真剣に見ていたかで決まる。見ていたことを再確認するテーマを与え、1つのテーマをやり遂げたら、次のテーマを与える。だいたい、こうしたことを4年くらい続ける。

―― 仕事を与える時に、重視していることはどんなことですか。

 それぞれの人間の性格を見極めたうえで決めていく。面白いのは、与えられた役割をどのようにこなしていくかで、けっこうその人間の個性が表れるものだ。うちでは、仕事以外に戸締まりや掃除などの役割を社員一人ひとりに与えている。人間、どんな小さなことでも責任を持たされると、それが成長の原動力になる。

 例えば、戸締まりなら、毎日絶対に忘れない者もいれば、時々そのまま帰ってしまう者もいるんだ。戸締まりを忘れるようなおっちょこちょいな性格なら、それを踏まえた仕事を割り振る。人にはみな個性がある。部下の個性を見極めることは、上に立つ者の重要な役目だ。

―― 人を育てるというのは、教える側も真剣でないとできないということですね。

 自分の姿を見せるということは、自信が持てなければできない。人を育てるということは、自分自身も進歩していなければできない。大したことのできないヤツでも、あれこれ講釈を述べることはできる。しかし、いざ行動となると、馬脚を現す。

―― どんな職場にも、何でもかんでも手取り足取り教えたがる教え魔みたいな人がいますが、そういう人はかえって成長の芽を摘んでしまう場合もあるのですね。

 確かに、戸惑っている姿を見ると、時には何でこいつはこんなにダメなんだと、至らないところばかり目につくこともある。しかし、それを口にする前に、果たして自分は新人たちの学びの対象としてふさわしいのか、考えてみることが大事だ。先輩社員たちにとって、最大の研修は、人を育てる機会を与えられることだ。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長