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「デザイン」から現実社会に、明るく問いかける場

三宅一生「21_21 DESIGN SIGHT」ディレクターに聞く

  • 勝尾 岳彦

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2007年4月11日(水)

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三宅氏

三宅氏

 日経デザイン:まず、デザインミュージアムが必要だと思われたのは、なぜですか。

──私は、2003年1月に朝日新聞に「造ろうデザインミュージアム」と題した記事を投稿しました。その前年に亡くなった田中一光さんをはじめ、いろいろな方とお話ししていたことですが、そういう施設があれば、これまでの歴史を出発点として、新しいものを作っていけるからです。

 また広い意味での「つくる力」──匠の力、技術の力、開発能力、めげずに取り組む精神、それこそ日本が誇る、大切にすべきものだと思うからです。

 僕自身、海外のお客さんを迎えて「東京にデザインミュージアムはないのか」と聞かれて困ることが多かった。「今」の風俗を見て面白い場所はあっても、ミュージアムはありませんでした。

 21_21 DESIGN SIGHT(以下21_21)は、いわゆるミュージアムとは少し性質が違いますね。どのような経緯でここに至ったのでしょう。

──今回21_21の建築を手がけた安藤忠雄さんとも、もう20年くらい前からミュージアムの話をしていました。しかしその過程で、ミュージアムを実現するうえでの問題もいろいろと見えてきました。仮に出来たとして、そこで何をやるのか。ポスターやプロダクトを並べるだけで、本当にいいのか。

 また現実的な課題として、人材も必要。きちんと資料化したアーカイブも必要。やるからには30年、40年持たせなくてはならない。とても個人の力で作れるものではない、と分かってきました。

 そこで、大きなミュージアムとは違う活動の形を考え始めた。僕はMDSGというギャラリーで、キュレーターのようなこともやりました。そこから「何かできるんじゃないか」という感触もありました。

 場所もあちこち持ちかけて、なかなか乗ってもらえなかったのですが、六本木のお話をいただけた。小さいけれど、外の風景とつながった場所です。そして安藤さんがすばらしい建築を作ってくれる。あとはいっしょにやっていく仲間が必要だと考えました。それがディレクターです。

21_21 DESIGN SIGHTの建築は安藤忠雄氏が設計した。

21_21 DESIGN SIGHTの建築は安藤忠雄氏が設計した。2007年3月30日から4月18日まで特別企画「安藤忠雄 2006年の現場 悪戦苦闘」を開催し、建物が完成するまでのプロセスを紹介する(写真:MASAYA YOSHIMURA/NACASA&PARTNERS,Inc.)

ディレクターはどうやって選ばれたのですか。

──深澤直人さんは「面白い仕事をする人がいるなあ」と思っていました。ひと時代前のデザイナーとは違って、一般の人たちが手に取れるもので、面白いものを作っている。21世紀はそういう時代だと思います。

 佐藤卓さんは、非常にロジカルにものを考えて、最後は「当たり前のもの」を作るという、当たり前でないすごさがある。この人たちといっしょにやれないだろうか。そう思って、2人を口説きに行きました。

 あともう1人、客観的なディレクターとして、アソシエイトディレクターの川上典李子さん。幅広い目を持ちつつ、愛情を持って伝える役目の人です。

 そのころ、前から申請していた財団の許可が降りました。難しい時代ではありますが、21_21の活動のために企業にもあちこちお願いして、30数社からご協力をいただけることになりました。

21_21 DESIGN SIGHTという名前はどういう意味ですか。

──英語ではパーフェクトサイトのことを2.0_2.0 Sightと言います。でも、デザイナーにはその先を見る何かが求められる。時代が必要とするもの、生活の中にあるといいもの……鋭敏なアンテナを張ってそれを「探す力」こそがデザインの力ではないか。探すことを活動の柱の1つにしたい。それで21_21 DESIGN SIGHTです。

 もう1つ、よく取材で「あなたにとってデザインとは?」と聞かれますが、そういう「定義」はなしにしたい。むしろ積極的に、定義はしない。「デザイン」という言葉を広げてみることで出てくる意味に期待しています。

 今の日本は、世界一の消費国と言ってもいい。でも、消費財をつくる前に、考えることがあると思うんです。デザインの基本は、そこにあるべきじゃないか。21世紀はたくさんの問題を抱えているのに、それに気付こうともせず、消費大国になってしまっている。

 かと言って「21_21へ行ったら現実をつきつけられて寂しかった」では困ります。なるべく笑い声や活気が起きる場にしたいのです。前は芝生で、隣はイタリアンレストラン。舞台として申し分ありませんよ。

 まずは第1歩です。動き始めて、蓄積された情報やモノがアーカイブになり、本当の美術館につながっていけばと思っています。

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