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不祥事を乗り越え “復活”のダスキン:
唱える経営理念を“使える行動ルール”に

2007年4月16日(月)

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清掃用具のレンタルとミスタードーナツなどの外食事業を展開するダスキン。
数年前の不祥事で揺らいだ経営理念を取り戻すため、伊東英幸社長は社員や加盟店との対話を続けてきた。その中で見えてきたのが「理念の実践」。
社長からアルバイトまで実践できるシンプルな行動ルールに仕立て直し、新しい風土を育もうとしている。

(日経ビジネス オンライン副編集長=瀬川 明秀)


「(ダスキンは)大企業病に陥り、社内で自由にモノが言えなくなった。こうした企業風土が不祥事の温床になったことは間違いありません。この風土を変えることが私に課された最大の使命だと思っています」(日経ビジネス2003年10月6日号)

 2002年の春、傘下の「ミスタードーナツ」で無認可添加物の入った肉まんを販売した事実が発覚、2003年春には元会長による不正な資金提供が明らかになった。相次ぐ不祥事で混迷する組織を立て直すべく社長となった伊東英幸氏は当時、改革に挑む覚悟をこう語っていた。

混迷の時期を乗り越えた

 あれから3年──。昨年12月、ダスキン(4665)は東京証券・大阪証券取引所第1部に株式上場を果たした。混迷の時期は過ぎ、再び回復基調に戻ったかのように見える。この3年間で、関連会社80社を32社に集約するなど事業基盤を見直してきた。

 その一方で、2004年には社員の「行動基準」を策定、公益を重視し、社員や取引先からの「相談・報告窓口」を設置、消費者団体との懇談会を定期的に開くなどコンプライアンス(法令順守)の制度を整えてきた。外部機関のFC(フランチャイズチェーン)顧客満足度調査でも2年連続で総合1位を取るなど評価は高まってきている。

ダスキンの創業者が提唱した「経営理念」。3ページの囲み記事で言葉の意味を解説

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 それでも、伊東社長は「まだまだ道半ば」と気を引き締める。一連の事件は会社の存在理由を揺るがすほどの出来事だった。業績が回復するだけでは十分ではないと見ている。

 そもそもダスキンは創業者である故・鈴木清一氏が「人様に役立つことを実践する」ために興した会社。鈴木氏が提唱した「喜びのタネをまこう」という理念に共感した人たちが「ぞうきんのレンタル業」に集まった。日本のフランチャイズシステムの草分け的な存在とも言える「ダスキン愛の店」(加盟店数は2400店、掃除道具の取り替えを担当する「お客様係」は10万人)は「理念で広がった組織」だった(伊東社長)。それだけに、その理念が傷ついたままでは本来の成長はないのだ。

 振り返れば、この3年間は加盟店オーナー、社員とともにいかにして経営理念を取り戻すか、その模索の時期だったと言える。そして、その作業は今も続いている。

経営理念はもう要らない? 

 「皆さんは本当に経営理念は不要だとお考えなのでしょうか」。2年前の加盟店との懇談会でのこと。伊東社長は250人のオーナーたちを前にこう尋ねたことがある。「祈りの経営」を標榜するダスキン。だが、その理念も“御題目”に過ぎないのならば不要ではないか、との思いが現場にくすぶっていたからだ。伊東社長の問いかけに対して、加盟店オーナーたちの9割以上が「理念は必要」と答えた。

 「それでは、理念を自分の仕事の中で生かそうと考えたことがありますか、あるいは自分の仕事で生かしていますか」。伊東社長は尋ねた。理念を認めるオーナーも「実践している」と答えることができた人は全体の1割程度に過ぎなかった。

 こんな対話を社員やオーナーたちと続けてきた。その中で見えてきたのが「理念の実践」という言葉。旧経営陣のみならず、現経営陣、社員、加盟店も自分の仕事に照らし合わせて考え実行する方法が、見えなくなっていたのだ。

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「不祥事を乗り越え “復活”のダスキン:
唱える経営理念を“使える行動ルール”に」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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