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メンタルヘルス対策における「従業員支援プログラム」活用法2【後編】

  • 田中 亨子

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2007年4月18日(水)

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30代の女性社員が昇進後、うつ病になったが、療養後回復。EPA業者のアドバイスに従って復職、配転しようとしたが、産業医の判断と違ったため、対応できず困っています。

 相談内容の詳細は前編をご参照ください。>>

EAP業者の意見だけを根拠に、Aさんを復職させることはできる?

 今回は、うつ病で休業中のAさんに対する今後の対応についての相談です。EAP(従業員支援プログラム)業者は「配置転換により業務軽減をすれば、復職可能」と意見していますが、Aさんの主治医の診断書は存在せず、産業医も意見を留保している状態です。会社は、EAP業者の助言だけを根拠に、Aさんを復職させてもよいのでしょうか。

 会社は、従業員の健康に配慮する義務(健康配慮義務)の一環として、Aさんを復職させるか否かについて、適切な判断をしなければなりません。ここで「適切に判断した」と言うためには、原則として、主治医の診断書の内容を検討することが必要です。Aさんの病状を最もよく把握しているのは、主治医だからです。仮に、会社が、主治医の意見を聞かず、EAP業者の意見だけを根拠にAさんを復職させ、Aさんの病状が悪化してしまった場合には、Aさんから、健康配慮義務違反として損害賠償を請求される可能性があります。

 会社はEAP業者の意見だけを根拠にするのではなく、Aさんに主治医の診断書を提出させて内容を検討し、産業医の意見も聞いたうえで、今後の対応を判断した方がよいでしょう。

主治医に診断内容の開示を求めることはできる?

 Aさんが主治医の診断書を提出しない場合であっても、原則として、会社やEAP業者は、直接、主治医の意見を聞くことはできません。医師には、患者(Aさん)の病状等について守秘義務があるため、本人の同意がない限り、第三者に患者の病状についての情報を開示することはできません。

 これは、相手が専門職であるEAP業者(臨床心理士など)であっても同様です。医師が守秘義務に違反した場合、患者から損害賠償を請求されるだけでなく、刑罰を受ける可能性もあります(刑法第134条)。医師の守秘義務の例外として、
・法律によって開示義務が認められる場合や、
・情報を開示しなければ、患者が自分や他人を傷つけたりする可能性がある場合
には、情報を開示することができますが、相談内容を見る限り、例外が認められる可能性は低いと考えられます。

 なお、個人情報保護法との関係でも、同様の問題が生じます。基本的な考え方は、上記の守秘義務の問題と同様ですが、詳細は、厚生労働省の定める「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」に説明されています。

コメント1件コメント/レビュー

「原則として、主治医の診断書の内容を検討することが必要です。Aさんの病状を最もよく把握しているのは、主治医だからです」この文面ですが、復帰に当たって会社が「主治医の診断書内容を検討する」ことが必須なのは当然ですが、「Aさんの病状を最もよく把握しているのは、主治医だからです」という内容の信頼性は、弁護士の意見として疑問です。(2007/04/18)

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いただいたコメント

「原則として、主治医の診断書の内容を検討することが必要です。Aさんの病状を最もよく把握しているのは、主治医だからです」この文面ですが、復帰に当たって会社が「主治医の診断書内容を検討する」ことが必須なのは当然ですが、「Aさんの病状を最もよく把握しているのは、主治医だからです」という内容の信頼性は、弁護士の意見として疑問です。(2007/04/18)

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