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繊維から半導体産業へ華麗に変身!

「ここ掘れ」の声を信じて宝の山を掘り当てた

  • 川嶋 諭

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2007年5月18日(金)

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 周囲は見渡す限りの田んぼ。その中に突然、最先端の半導体工場が現われる。何とも不思議な光景である。

 しかも、日本の半導体産業は台湾や韓国メーカーに追い上げられて業績が厳しい企業が多い中、ここは数十億円規模の売上高でまだ小さいとはいえ年率3~4割も売り上げを伸ばしている。世界中から注目されている急成長企業なのだ。

多品種少量に大手は二の足、そこにチャンスあり

様々な厚さの膜を付けたシリコンウエハー

 1998年に設立されたケイ・エス・ティ・ワールド(以下KSTワールド、福井市)である。半導体と言っても、パソコンの中心部に使われているCPU(中央処理演算装置)やDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、フラッシュメモリーといった、私たちになじみの深い半導体を生産しているのではない。

 半導体製造装置メーカーなどが自社製品の評価に使うプロ向けのシリコンウエハーを作っている。

 一般消費者向けと違って大量に売れる製品ではないが、これがないと各種半導体関連機器や材料などの評価ができない。半導体産業にとっては不可欠の製品だ。

 例えば、新しく開発したステッパー露光装置が正しく動作しているかを評価するために、半導体装置メーカーは本物のウエハーを使って評価したい。

 しかし、実はこれがなかなか手に入らない。何も特殊なウエハーではないにもかかわらずである。量が少なく、種類が多岐に及ぶからだ。

 シリコンウエハーから半導体製品にするには、まずウエハーの上に酸化膜などを作って絶縁層とし、そこに回路を描く。最終製品の半導体の種類によって、この膜の厚みや種類が異なってくる。

 半導体装置メーカーはそれぞれの顧客ごと、またその製品ごとに評価しなくてはならないため、何種類もの厚さに様々な膜を形成させたウエハーが必要となる。

 半導体産業は大量生産・大量消費の世界だけに、1枚1枚成膜条件の違うウエハーを作って売ってくれるメーカーが大手にはほとんどなかった。

 そのニッチな市場にKSTワールドは目をつけたのだ。

大学の研究室で研究の合間に生産

 もちろん、同業がいなかったわけではない。しかし、本当の多品種少量ということで、これまでは大学などが研究用に設置している設備を研究の合間に使って、ウエハー上に様々な膜を作って販売しているケースが多かった。実際、米シリコンバレーにはそういう加工を行うメーカーがいくつもあった。

 しかし、研究用設備のため、成膜装置はビニールカーテンで仕切られただけのクリーン度の低い部屋に設置されており、できた製品の品質に大変なばらつきがあった。どんどん高集積度化する半導体に、これでは対応できなくなってきていた。

 KSTワールドがクラス10というクリーン度の極めて高いクリーンルームを作ってこうした成膜サービスを始めたところ、顧客を次々と獲得できたという。

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