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リーダーは多様性の中でこそ育つ
日本の学生よ、海外に出でよ

ジョン・ヘネシー

2007年5月23日(水)

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米ヒューレット・パッカード、インテル、アップル、ヤフー、グーグル──。
グローバル企業へと飛躍したハイテクベンチャーを数多く生み出して、ベンチャー起業の「聖地」と呼ばれる米シリコンバレー。
その中心でベンチャーを孵化する役割を担うのがスタンフォード大学だ。
「スタンフォードは世界を変革するリーダーの育成を目指している」。
こう語るジョン・ヘネシー学長自身、スタンフォードの教育を変革し続ける。
知日派でもある同氏は、日本の大学教育にも大胆な提言をする。

ジョン・ヘネシー氏

ジョン・ヘネシー
(John Hennessy)
1952年生まれ。米ビラノバ大学で電気工学の学士号、米ニューヨーク州立大学でコンピューターサイエンスの修士号、博士号を取得した後、77年に米スタンフォード大学の助教授に就任。86年正教授。2000年9月から学長。1984年には米ミップス・テクノロジーズを設立 (写真:鍋島 明子)



 スタンフォード大学があるシリコンバレーでは、ハイテクベンチャーが次々と生まれてきます。その中には、古くはヒューレット・パッカードやインテル、最近ではヤフーやグーグルなどのように、グローバル企業へと育ったベンチャーも少なくありません。

 「我が国ではグローバル企業に育つようなハイテクベンチャーがなぜ出てこないのか」。日本ではこうした議論があるようですね。たとえ大学に有望な技術の種があったとしても、グーグルのように短期間で急速にグローバル企業へ成長を遂げるようなハイテクベンチャーが出てくるかどうか。私は疑問に思います。なぜなら、多くの人に勤め先を辞めるよう説得して、成功するかどうかが分からないベンチャーに入社してもらうことが必要だからです。社員が会社に驚くほどの忠誠心を示して献身的に働き、長期の安定した投資を重視する日本の企業モデルとは相容れないでしょう。

 シリコンバレーでベンチャーに人が集まるのは、人材の流動性が高いからです。シリコンバレーで働く人々の多くは、会社ではなく自分の専門領域の技術を信奉する。そのため、技術の新たな可能性を追求する機会を求めて転職を重ねるのが普通です。こうした開拓精神にあふれた人が次々と入社してくるので、ベンチャーは急激なスピードで成長できるのです。

 日本の企業モデルとシリコンバレーの企業モデルのどちらか一方が優れているということではなく、それぞれに長所と短所があります。ただ、シリコンバレーに見られるベンチャー起業のバイタリティーを許容しない点は、日本モデルの弱点と言えるでしょう。

 シリコンバレーのハイテクベンチャーには、ヒューレット・パッカードやヤフー、グーグルなど、スタンフォードの教授や学生が起業したものも多い。私自身も電気工学部の准教授だった1984年に長期休暇を取得して、自分が開発した「RISC(縮小命令セットコンピューター)」という技術を商業化するベンチャー、ミップス・コンピューター・システムズ(現ミップス・テクノロジーズ)を起業しました。

 そのため、「スタンフォードの教育の目標は起業家の育成にある」と言われることもありますが、起業家育成だけが我々の目標ではありません。

 実際に、スタンフォードの卒業生には産業界以外で活躍している人物がたくさんいます。例えば、米連邦最高裁判所で最初の女性判事に任命されたサンドラ・オコーナー。アカデミズムの世界で優れた研究成果を上げている学者も多く、昨年は2人のノーベル賞受賞者を生み出しました。

 このように卒業生の多くが、それぞれに進んだ道でリーダーとなっている。このリーダーの育成こそが、スタンフォードにおける教育の真の目的なのです。

 私の考えるリーダーとは、自分の選んだ職業で抜きん出た専門家となり、重要な進歩を成し遂げて世界の変革に貢献する人物です。世界を率いるリーダーとして活躍している多くの卒業生を誇りに思っています。

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