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日本産業の凋落を招いた
世界戦略を描けない日本型リーダー

岩崎 哲夫

2007年5月25日(金)

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(※「岩氏」が正しい表記ですが、表示できない環境があるため「崎」と代用させて頂きます。ご了承下さい)


日本の企業がグローバルな競争の舞台から次々と姿を消している。
国内ばかりを重視して世界を攻略できない経営トップに原因がある。
国際感覚が豊かなリーダーを育てるトレーナーも仕組みもない中、外国人や海外経験豊富な若手を抜擢しないと、地盤沈下は止まらない。

 多くの産業で日本企業が世界を席巻した「栄光の1980年代」──。その記憶は、日本人のみならず外国人からも急速に薄れている。

 その代わり、IT(情報技術)の著しい発達と経済のグローバル化という新たな潮流に乗り切れず、往時の勢いを失っている日本企業のイメージが定着してきた。

 象徴的なのは、日本経済を牽引した80年代の優等生、電子・電機メーカーの凋落である。80年代後半から90年代初頭にかけて、半導体売上高で上位を独占し、世界の頂点に君臨したが、インテルやテキサス・インスツルメンツ(TI)といった米国勢に逆転を許したばかりか、急速に台頭した韓国サムスン電子にも圧倒的な差をつけられた。

80年代後半の隆盛が跡形もない日の丸半導体

 自動車メーカーや特定の分野で競争優位を維持している産業の例もあるが、その数は決して多くはない。

 なぜ、このような状況を招いてしまったのか。どうして日本の多くの産業が競争力を喪失し、いつまでも浮上してこないのか──。

 私は1979年、米半導体製造装置メーカー大手、アプライド・マテリアルズの日本法人の設立に参加。その後、日本法人の社長や会長、米国本社の上席副社長を歴任した。昨年3月まで2期6年にわたってサムスンの社外取締役も務めた。

 これらの体験を踏まえて、日本の電子・電機メーカーを中心に日本の多くの産業が再浮上できない理由について考えてみたい。

改革を妨げる複数の要因

 これまでにお会いした日本の電子・電機メーカーの半導体事業のトップは、いずれも変革の必要性もその道筋もよく理解していたと思う。幹部の人たちも十分な能力や経験を備えた人たちだった。

 だが、半導体事業は会社の中の1事業でしかない。いつも社内の優先順位の最上位にあるとは限らず、半導体事業部門の希望は必ずしもかなえられることはなかった。

 特に雇用やオーバーヘッドコスト(間接経費)の削減、不採算部門の閉鎖など痛みを伴う本当に必要な改革は先送りされた。たとえ実行に移されても、「あまりにも遅く、規模も小さい」ものになった。

 どんなに素晴らしい改革であっても、タイミングや規模が合っていなければ、効果は甚だ小さいものになってしまう。一体、何が阻害要因だったのであろうか。

 事業の将来ビジョンや収益水準、企業価値の最大化、金融市場との信頼構築、そして経営者に厳しく物申す「企業統治」の不在も大きく影響したと推測する。

 資金調達の手段が銀行借り入れによる間接金融から資本市場からの直接金融に移るのに伴って、株式の持ち合い解消も進み、本格的な企業統治の仕組みが日本でも定着し始めている。欧米並みに投資家の監視が厳しい企業統治が当時存在していれば、どうなっていただろうか。先頭集団を走っていた日本メーカーの半導体事業が10年も経たないうちに後退して先頭から引き離されることにつながった経営判断は、厳しく追及されただろう。執行を監督する取締役会の権限はそれほど絶大だ。

 私もアプライド時代に、自分が立ち上げて1200人もの従業員を抱える事業の解消を取締役会から勧告された経験がある。勧告を受け入れずに何とか事業の解消を免れたが、当時の取締役会が事業の解消を求めた理由は妥当であったと今でも思う。

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