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今の「日本型人事」だけでは人材は育たない
「学習する組織」作りが変革の原動力に

金巻 龍一、佐々木 久三子、木戸 貴子

2007年5月28日(月)

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イノベーションの時代では、人材が変革を生む最大の要素となる。
だが、従来通りの社員研修で「人材力」を高めることは難しい。
社員が自発的に能力を高めるのを促す「学習する組織」へと転換することが、会社を成長に導く原動力となる。

 「企業は人なり」とよく言われる。人材の質が企業の競争力を左右するということに、疑問を差し挟む余地はない。その一方で、日本企業はこれまで、「業務の標準化」を促進し、普通の人でもベテランと同じ仕事をこなせる仕組み作りを追求してきた。これは人材に依存しない経営を実現するための工夫である。

 しかし、「イノベーションの時代」と言われる中で、改革に最も重要な要素として「人材」を挙げる経営者が増えている。

 IBMグローバルビジネスサービスが、グローバル企業の765人のCEO(最高経営責任者)を対象に実施した調査によると、41%のCEOが「企業に変革をもたらすうえで最も重要なのは従業員」だと回答した。また、別の調査では82%のCFO(最高財務責任者)が「人材力が営業利益に影響している」と考えているほか(図1)、顧客満足や新製品開発などにも人材力が大きく影響すると見ている。経済のサービス化によって、個人の発想力や変化への対応力が競争を左右する条件となったこと、経営戦略がすぐに陳腐になる短命化などが、その理由だ。

人材は利益や顧客満足に影響を及ぼす
図1 「人材力」が経営を左右すると考えるCFOの割合

 そういう時代では、「経営戦略ありき」で、それに合わせて人材戦略を策定するというやり方では限界がある。自社が所有するスキル(社員の技能)の多様性が、経営戦略のオプションの幅を決定づけるからだ。逆に言えば、多様なスキルを集められる企業、すなわち「人の集まる企業」になることこそ、先の見えない時代に勝ち残る条件となる。

「リーダーシップの欠如」は深刻
図2 自社内部における変革推進の阻害要因

 「新入社員の働くことの意識調査」によると、会社選択の理由はこの数年で大きく変化した(図3)。終身雇用や年功序列を原則とした時代に見られた、企業の格式や入社時の給料が重視される傾向は薄れている。

「自分を生かせる会社」を志望
図3-1 会社選択の理由の変化

 その半面、能力を高められる環境を備えているかどうかが重要な選択肢となってきた。組織から与えられた教育によって能力を身につけるのではなく、社員自らが組織を自己実現の場と考え、自発的に能力を高めていく「学習する組織」であることを会社に求めているのだ。

 これを会社側の立場で考えれば、入社してから人材を育成するのではなく、「仕事を通じて能力を伸ばしたい」「自己実現を果たしたい」などと考える人材をいかに誘致できるかが勝負となる。採用において、そういう発想の転換が求められる。

社員が自ら「学習」するのを促す

給料は会社選択の要因にならない
図3-2 会社選択の理由

 子供の教育の分野では、一律に「勉強しなさい」と指導すればするほど、自発的な学習意欲は減退する。むしろ、「将来何をしたいか」と尋ねることが重要だと言われている。つまり、人間とはもともと、「何かになりたい」という欲求があれば、誰に言われなくても学習を始めるものなのだ。

 これと同じ考え方を経営にも導入できないだろうか。なりたいものが決まれば、人は自ら学び始める。組織はその学習を側面からサポートするだけでいい。このような人材マネジメントを、IBMグループでは従来型の「ヒューマン・リソース・マネジメント(HRM)」と区別して、「ヒューマン・キャピタル・マネジメント(HCM)」と呼んでいる。

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