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リスクこそ大きな利益を生み出す!

クルマのリサイクルで年30%成長

  • 川嶋 諭

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2007年6月1日(金)

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 真っ黒に日焼けした男が大型のチェーンソーを左手に抱えて近寄ってきた。

 「これいるか?」

 右手に持った少し錆びた機械を見せる。

 「それはいらない。これと同じものがあったら教えてくれ」

 1メートル90センチはあろうかという大男が振り返って小ぶりな部品を見せながら答える。目鼻立ちは完全に中東系だ。周囲には機械部品が所狭しところがっていて、ハリウッドの未来戦争映画を彷彿させる光景である。

 チェーンソーの男は「そうか」と残念そうに戻っていった。そして、チェーンソーのスイッチをおもむろに入れると、「ウィーン」「ゴーン」とけたたましい音をたてながら自動車を真っ二つに切断した。その間、わずか1~2分。ダイナミックな光景だった。

 そう、ここは自動車の解体工場である。外国人が多いのが特徴と言えば特徴だが、最近の日本ではよく見かけるだけに、見慣れてしまえば何の変哲もない普通の解体工場のようにしか思えない。

新車より日本車の中古車の方が人気

 しかし、それは表面的なこと。独創的な経営によって目下急成長中の注目企業なのである。金沢市に本社を置く会宝産業だ。今から10年前、売上高は2億4800万円、経常利益が800万円だった同社は、今年度、売上高20億円、経常利益1億円を見込む。

 昨年度に比べても、売上高が5億円、経常利益が4000万円増えた。比率にして、それぞれ33%、66%増という急成長ぶりだ。

 その躍進を支えているのが、日本の中古車から取り外した部品の外販である。国内にも売っているが、あまり利益にはならない。最も儲かるのは海外、それもロシアや中東、アジアの国々に向けた輸出だ。

 「ロシアでは、新車が米ドルにして6000~7000ドルで手に入ります。しかし、程度の良い日本車だと、ロシア製の新車よりも人気があるんです。ただ、中古車は新車より関税が高くしかも年式が古くなるほど高く設定されているので、年式が古く安い中古車を日本から輸出することは難しい。部品なら高い関税がなく、高く売れるのです」と会宝産業の坂井茂夫常務は話す。

40~50分かけて1台を解体する

 中古車のエンジンルームをそのまま残してシートやインパネなど居室部分を切り取って“部品”として輸出し、向こうで別の車体に組み込んで販売されるケースもあるそうだ。そこまでいかなくても、日本車のエンジンやミッションなどは高値で売れる。

 こう言うと、誰でも簡単にできそうだが、実はそう易しくない。会宝産業ならではのノウハウが利いているのである。

ハイリスクの国だからこそハイリターンが期待できる

 同社の倉庫には中古車から取り外したエンジンがうずたかく積まれている。ここから1カ月間に海外に出荷されるのは約1200基。ところが、会宝産業の解体工場で廃車から取り出されるエンジンの数は半分の約600基。残りの半数は、ほかの企業が解体したエンジンを購入して輸出しているのだ。

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