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こんにゃくからカリスマ洋菓子へ

つらい要求に耐えて新ビジネスモデル構築

  • 川嶋 諭

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2007年6月8日(金)

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 石川県河北郡の国道8号線に面した小さな工場から、毎日、日本中の有名な洋菓子店に高級なプリンやスイーツがトラックで出荷されていく。辛党の男性はともかく、甘いものが大好きな女性なら誰でも知っている超人気ブランドの洋菓子である。

 出荷しているのは、金沢市に本社を置くオハラ。かつてはこんにゃくの専門メーカーだったが、今やこんにゃくの製造を続ける一方で、ブランド洋菓子の製造で急成長している石川県期待の中小企業だ。

 東京や京都、大阪、神戸といった大都市にある有名洋菓子店へ商品を卸すだけでなく、最近は自社ブランド、なかんずく石川県の特産品である米やサツマイモなどを洋菓子にした商品が人気を呼び、そちらの売り上げも急速に伸ばしている。

 2006年2月期の売上高は8億4400万円、利益が2090万円(東京商工リサーチ調べ)。新しい市場を次々と開拓しているためにまだ利益率は低いものの、大手スーパーやコンビニエンスストアと共同で独自ブランド商品を次々と発表するなど成長性は高い。

中国に進出するも暴動で逃げ帰る

 低成長どころか市場が収縮しているこんにゃくから女性が列をなして買いに来る高級洋菓子へ。業態を時代に合わせてうまく変化させたことが成長の秘密、と言えばかっこいいのだが、ここまで来るには何度も大きな試練に直面してきた。

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小原繁社長。中国からの撤退など数々の試練を乗り越えてきた

 例えば、中国からの撤退。「いやぁ、大変な経験をさせてもらい、勉強料もたくさん払いました」と小原繁社長は苦笑いしながら話す。「何しろ工場長は中国人社員たちに監禁されたような状態になり、暴動の中を逃げ帰ってきたのですから」。

 こんにゃくは産地がほぼ群馬県に集中し、こんにゃくの製造機械も2社しか作っていない。商品の特徴が出しにくい産業にあって、市場が減っているとなれば、競争力を決めるのは価格しかなくなる。

 安い労働力を求めて中国での生産を始めたのだが、「中国人のビジネスのやり方は日本人とは全く異なります。文化もよく調査しないで中国進出を決めたのは大失敗でした」と小原社長。1億円近い負債を出して撤退を決めた。まだ4年前のことだ。

売り上げ3億円なのに3億円を新規借り入れ

図版

ブランド洋菓子で急成長しているオハラ。本社と同じ敷地内に工場がある

 中国へ進出する前には、石川県、富山県、福井県の北陸3県にまたがる山々にコンニャク芋を植えるという事業を始めたこともある。少しでも安く原料を仕入れるためだった。中山間地域を活性化させるという名目で、売り上げが3億円の時代にもかかわらず中小企業金融公庫から3億円もの融資を受けることができた。

 「机の上での計算では合理的な判断だったのです。低い金利で資金も借りられましたから。工場も近代化させようと現在の工場を建設しました。しかし、実際のビジネスは違いました。計算通りの利益が出ることはありませんでした」

 こんにゃくは冬場には鍋の材料として量が出る。しかし、夏場は全く動きが止まってしまう。季節性の激しい商品で工場の稼働率がどうしても低くなる。

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