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『ファンド資本主義を生き抜く』

  • 真弓 重孝

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2007年6月18日(月)

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 今や投資ファンドに関する記事が載らない日はないと言えるほど、投資ファンドの活動が日常化してきた日本。今、なぜ彼らの動きが活発になっているのか。そもそも投資ファンドとはどのような存在なのか。会社が経営を行う中で投資ファンドの存在を無視できない時代に入ってきた今、我々は彼らとどのように向き合っていけばいいのか。

 これらの疑問を解くため、NB online1周年セミナーでは、「ファンド資本主義を生き抜く」と題したセッションを設け、投資ファンドの内情に詳しい3人の専門家から話を聞いた。講演者は、米国の投資銀行であるロバーツ・ミタニLLCの創業者でマネージングディレクターの神谷秀樹氏。ネットを利用した生命保険事業を準備するネットライフ企画の副社長、岩瀬大輔氏。企業法務に詳しい弁護士、中村・角田・松本法律事務所の中村直人氏。

 神谷氏は住友銀行入行後、米ゴールドマン・サックス証券に転じ、ゴールドマン退社後、ロバーツ・ミタニを創業した。ロバーツ・ミタニは日本人として初めて米国で認可された投資銀行であり、今年創業15年目を迎える。現在10人の専門家が働き、ベンチャー育成などを手がけている。

 ネットライフ企画副社長の岩瀬大輔氏は、旧日本長期信用銀行を買収したリップルウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナル)で企業再生に関わった経験を持ち、バイアウトファンドなどの実務や業界事情に詳しい。現在2008年初頭の開業を目標に、新しい生命保険会社の立ち上げを準備中。

 中村・角田・松本法律事務所の中村直人弁護士は、ライブドア・ニッポン放送事件やペンタックス・HOYA問題に関わるなどM&A(企業の合併・買収)や企業再編分野を中心に高い評価を得ている。日経ビジネスが実施している弁護士ランキングでは2004年から3年連続、総合部門ランキングで1位の評価を得ている。

 以下3氏の講演内容を紹介する(本誌による要約)。

「ファンドによる買収と事業会社による買収 その根本的な相違点」

神谷秀樹・ロバーツ・ミタニLLC創業者

神谷秀樹氏  (写真:清水真帆呂、以下同)

 米国ではM&Aでファンドは無視できない存在になっている。この動きは日本にも伝播している。円が安く、海外投資家は、安い資産運用を低金利で行うことを求め、日本の投資家は、高い金利で高い通貨の資産を求めるという、円の逆さバブルが起こっている。このことが、日本にファンドが入ってくる背景として考えられる。

 そもそもファンドとは、どのような思考を持っているのか。それを知るには、まずファンドと事業主では基本的に考えが違うことを認識する必要がある。

 ファンドはエクイティ(資本)をデット(負債)で買っており、投資家というよりも投機家となっている。「ファンドは返済責任が自己に及ばない」という仕組みを利用して、自己資金を何倍かの規模にして運用することが可能である。

 彼らの考えからすれば、利回りの良い会社が良い会社であり、高い信用力を維持することはあまり興味を持たない。ファンドは株主第一主義で、利益を増やし、配当を最大化することを重要視する。その利益を生むのは売り上げを向上させる方法と費用削減と2通りあるが、ファンドは事業主が考える将来的な売上高向上策は不確実なものとして信用せず、コストカットこそ確実な現金確保の道という考え方を取る。

 ファンドは短期間で利益を最大化することを重視する。一方、事業主は顧客第一主義であり、会社全体としてうまく回るよう考え、次世代への引き継ぎを使命と考える。

 経営に対する考え方も相違がある。事業主は今後のための投資をして成長を重視するのに対し、ファンドは根腐れなど関係なく利益が今最大化することを重要視していることである。

 こうした思考法のファンドが、ターゲットにする企業は、
(1)同族会社や上場子会社で非効率経営している
(2)コーポレートガバナンスが機能していない
(3)世代交代の過渡期ながら世代交代計画が欠如している
(4)自助努力による経営改革が不可能
などだ。

 上記の例に限らず、ファンドが日本企業に投資する可能性は広がってくる。事業主はファンドをただ哲学や文化が違うと敬遠するだけではなく、うまく利用することも考えるべきである。現在、日本はファンド天国であり、運用資金を豊富に持つ。事業主にとっては、ファンドを使うには絶好のチャンスである。現在、日本は超低金利で為替も円安だが、金利が上昇し円が強くなれば、ファンドは調達コストの関係で他の国に投資先を求めていく可能性もある。

 ファンドを使うなら、ファンドを入れた後の経営と、そしてファンドが出ていった後の経営をどうするのかという、入口と出口の経営を併せて考える必要がある。これをしっかり踏まえれば、ファンドを企業の経営改革をするための使いでのある資金として有効に活用することも可能になる。

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