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ファンド上場、M&Aブームは終わりの始まり

  • 神谷 秀樹

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2007年7月10日(火)

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 日本ではここのところM&A(企業の合併・買収)関連の話題が毎日のように新聞紙上を賑わしているように、現在、M&Aは世界的にブームになっている。米国のM&Aの状況を見ると、最近の特徴は全件数の約30%がプライベートエクイティなど投資ファンドによってなされている。こうした投資ファンドによる買収案件は、2001年には全体の3%、2005年には同10%に満たなかったのが、ここ2年で急成長したわけだ。

 その背景には世界的な過剰流動性がある。この世界的なカネ余り現象をもたらしている要因は、主に3つある。1つは、日本が円をダンピングし、かつほとんど金利のつかない低コストの資金を垂れ流していることによるもの。もう1つは、中国がやはりダンピングした通貨で稼ぎまくった外貨を先進国に還流させている。そして最後に、産油国が高い石油価格で稼ぎまくり、同様に先進国に還流させていることによるものだ。

新生クライスラーの行く末は

 投資ファンドが買収の当事者として存在感を増してきているのは、あり余ったマネーが運用先を求めてファンドに勢いよく流れていることがある。カネ余りがもたらしたM&Aは、果たして成功するのだろうか。独ダイムラークライスラーは北米クライスラー部門を投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却した例を考えてみよう。

 このM&でAは、買収元のサーベラスは74億ドルを投じてクライスラー・ホールディングLLCを設立し、同LLCにはダイムラークライスラーも出資した。出資比率はサーベラスが80.1%、ダイムラークライスラーが19.9%。クライスラー・ホールディングLLCは、傘下にクライスラーコーポレーションLLCを設立し、クライスラーコーポレーションはクライスラー、ドッジ、シープなどの車種を製造販売する。また金融サービス事業を行う。

 サーベラスは新生クライスラーを長期的な視点から投資を考えているとしているが、事業の解体は避けられないかもしれない。財務や事業基盤をみると、ライバルと闘っていくには、厳しい環境にあるからだ。

 サーベラスの買収の背景として、ウォールストリートジャーナル紙によれば、新生クライスラーは600億ドル(約7兆2000億円)強の借り入れを行うことを想定している。巨額な借金をした新クライスラーの経営陣は、無借金経営で技術開発を進めるトヨタ自動車と真っ向勝負で勝てるとは、露ほどにも考えていないだろう。将来、自動車事業でキャッシュを生む可能性が低いなら、投資を回収するためには、今の事業を売却していくしかない。こうした先行きに恐れをなしたのか、6000人強の従業員はクライスラーから去っていった。

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