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米ビッグスリーは復活する

デトロイトモデルの終焉が始まった

  • J・W・チャイ

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2007年7月3日(火)

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 先頃、独ダイムラークライスラーが、北米クライスラー部門を米投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却することを決めた。ファンドが経営権を握ったことで、私は当初、クライスラーの解体が加速すると予想していた。だが、今は考えを改め始めている。

 サーベラスは、クライスラーを他社に切り売りするのではなく4~5年かけて立て直し、上場させる構想を描いているようだ。私が関係者に聞く限り、サーベラスは再建に相当の自信を持っている。

クライスラー再建に自信を持つサーベラス

 その根拠の1つは、サーベラスの顧問であるウォルフガング・ベルンハルト氏の存在にある。同氏は2001年から2004年までクライスラーの業績回復に手腕を発揮した。その後、三菱自動車の支援を巡って、ダイムラーの当時のCEO(最高経営責任者)であるユルゲン・シュレンプ氏と衝突して独フォルクスワーゲンに移ったが、再びクライスラーに戻ってくることになる。

 形式上は、買収後もトマス・ラソーダ社長らクライスラーの現経営陣は留任するが、実質的に取り仕切るのは旧クライスラーを経営していたサーベラス顧問のベルンハルト氏になるだろう。ベルンハルト氏が指揮を執り、サーベラス創業者のステファン・ファインバーグ氏に報告する形で、クライスラーの再建は進む。クライスラー社内には今でもベルンハルト氏の信奉者は多く、求心力を発揮する可能性がある。

 ベルンハルト氏やファインバーグ氏は過去のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターの戦略の誤りを徹底的に分析しており「同じ轍は踏まない」と言っている。GMやフォードが犯した誤りの1つはフルライン戦略にこだわるあまり、巨費を投じて自らすべてのプラットホームの開発をしてきたことにある。それが巨額の赤字を垂れ流す原因となった。

 今後のクライスラーはそんな愚かな真似はしないはずだ。ミニバンやジープ、人気の「300」シリーズなどに経営資源を集中させ、あとは他社との提携で賄うことになるだろう。既に小型車は中国の奇瑞汽車(チェリー)と提携しているが、今後はピックアップトラックの車台をGMやフォードから調達しようとするのではないか。

大統領選で民主党が勝てばヘルスケアコストで恩恵

 そもそもサーベラスはかなりの好条件でクライスラーを買収した経緯がある。表面的には買収額は55億ユーロ(約9000億円)となっているが、このうち30億ユーロはクライスラーの再投資に使うなど、内訳をよく見ると、ダイムラーの手元にはほとんど現金は残らない。

 そのうえ、ダイムラーはクライスラーの負債を全て引き受けることになっている。リストラなどを終えるまでに予想される支出は12億ユーロとなる見込みだ。つまり、ダイムラーはかなりの支度金を付けてクライスラーを売却したことになる。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長