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最終回の言葉

2007年6月28日(木)

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 とうとう最終号となりました。何を書こうかと迷いましたが、テーマを決めずに漫談することにします。

今の世界は健全か

 20世紀の最大の出来事の1つは、社会主義国家の誕生でした。旧ソビエト、中国、東ヨーロッパ、そして北朝鮮、ベトナム。世界は真っ二つに割れて無数の人々の運命が翻弄されました。

 しかし、我々は20世紀のもう1つの重大な出来事を忘れがちです。それは社会主義の崩壊です。物事はだいたい2つの対立軸を内包して存在するのです。野党があるから与党があります。小があるから大があります。社会主義があるから資本主義があると言っても過言ではありません。

 この観点から見れば、社会主義の崩壊とともに、資本主義も崩壊し始めたはずです。少なくとも15年前までの資本主義が崩壊したのです。格差社会の世界的広がり、資本によるグローバルな支配強化、労働組合の世界的衰退は日本も中国も米国も共通しています。我々がこれから失うのも手にするのも全部この大きな背景と繋がっていると見るべきです。

 留意すべきは、縛りと制約が無くなった「資本主義」は社会主義が存在していたころの良き資本主義と、もはや似て非なるものです。緊張感と謙虚さと反省力を、無くしたからです。

日中は大丈夫か

 日本と中国の関係は、ここ数年で悪くなったと思う人が多いと思います。もっとも最近は、4月の温家宝首相の来日で、関係は良好になり始めたと見られていますが。日中関係の動向について、僕は特に気にしません。なぜならば、歴史上、日中は対等につき合う時代がなかったからです。中国が日本を低く見る時代と日本が中国を低く見る時代が交差し、両国は対等に相手を見つめることに慣れていないのです。

 中国で起きている経済発展は長い歴史から見れば、あくまでも本来の水準に戻る過程ですが、数十年前に生まれて今の時代に生きている日本人も中国人も、この急速な出来事に心の準備ができていないのです。日本は不安に感じ、中国は成金に走るのです。

 しかし、日本と中国の国民がこれほど一人ひとり個人として相手と向き合う時代は、歴史上なかったはずです。中国の大学時代のルームメートが家族一緒に日本に旅行して以来、すっかり日本のファンになり、日本の良さを興奮気味に僕に話してくれたことがありました。また、中国に滞在した知人の日本人の奥さんは、中国の良さも悪さもすっかり理解しながら、現地の生活を楽しんでいました。

 日中は恐らく、対等の時代をようやく模索し始めたのだと思います。経済の相互依存関係だけではなく、情報の量や経済文化の基礎が均衡し、欧州諸国のような関係が可能になりつつあります。悲観する人も多いのですが、欧州もつい最近まで敵対し合っていたことを考えれば、日中が必要以上に悲観するのは杞憂でしょう。

個人の時代とは

 僕の友人の多くは複数の国での勤務経験を持ち、家族同士が異なる国籍を持ちます。世界は、確実に個人が国という枠を超えていく時代に向かいます。この傾向は、日本の個人投資家が海外の通貨や株式などに投資したり、その逆の例が起きていることからも、うかがうことができます。

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