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氾濫する「ネット活用」情報に惑わされないために

  • 奥原 剛, 山中 浩之

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2007年7月6日(金)

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 ウェブ経由で動画のコンテンツを見ることはもはや当たり前になっている。このことを「つまりは、テレビで見ていたモノがパソコンや携帯でも見られるようになったということだろう?」と考えて、おしまい…にしていないだろうか。

 一方通行のテレビと、双方向のウェブでは、一見同一の動画コンテンツでも、その見られ方、広がり方が大きく異なる。しかも、ウェブでは時間は無制限、表現の自由度は広く、配信そのものにかかるコストもテレビとは比較にならないくらい小さい。

 個人はもちろん、企業にとっても、ウェブはまさしく「自らのメディアを持てる」媒体だ。そこに「動画」という、分かりやすく、伝わりやすい方法が乗ったことで、企業は過去に体験したことがないくらい、社会に対して発信力を持ったことになる。自らの言いたいことを、影響力のある手法で自ら発信できる。それはとても大きなメリットがあり、同時に、間違った使い方をすれば非常に危険でもある。

 あえて「経営者のための」とタイトルに付けた理由はここにある。例えば、ウェブと動画の組み合わせは、自社製品、そして自社そのものの印象を決定づける可能性を持つ。そして「どのような企業だと顧客に思われたいか」を決めるのは、まさに経営・マネジメント層の仕事だろう。

 ならば、経営層は、自社のウェブコンテンツにどういう意識で向き合えばいいのか。例えば、技術的な部分にはどの程度踏み込むべきか? 表現は現場にすべて任せるのが正しいか?

 ウェブ上での動画配信専業会社として誕生し、現在は動画、Flash、携帯配信などの企画制作から配信、効果測定までを広く手がけるJストリームの白石清社長は、企業がウェブで顧客に与える印象のカギを握るのは「リッチコンテンツ」だ、と主張する。

 この連載では白石社長の「リッチコンテンツ」という考え方を通して「経営層が、自社のウェブに載せるコンテンツの企画書を見るポイント」を明らかにしていく。専門家の意見に振り回されず、自社のメッセージを顧客により正しく深く伝えるコツを、白石氏の話の中から掘り出していきたいと思う。(日経ビジネスオンライン編集部)


―― 企業のホームページと言えば、会社案内や商品カタログというものでしたが、今では凝った映像を流したり、啓蒙的な情報を載せたり、通信販売を兼ねていたりと、まるで情報誌やヴァーチャル展示場のようになっていますね。

白石 2005年にブロードバンドが一般家庭へ浸透してから、その傾向が加速しました。コンテンツの充実で、アクセス数も急伸しています。昨年10月にリリースされたネットレイティングスの調査によると、すでに、トヨタ自動車や松下電器産業など、業界トップの企業サイトでは月間100万人超(注:ユニークユーザー数、ページビューではない)のアクセスがあります。

トヨタ、松下のサイトはもはや「メディア」だ

―― 例え話ではなく、企業自身がメディアを持つに等しくなってきた。

Jストリーム社長 白石 清氏

Jストリーム社長 白石 清氏 (写真:大槻 純一、以下同)

 ええ。そしてその結果、自社のサイトがその企業のブランドイメージを大きく左右するようになりました。

 ウェブサイトには、見やすいサイト、分かりやすいサイトもあれば、不親切なサイトもありますよね。あるいは、積極的に情報をオープンにしている企業サイトもあれば、儲けにつながらなそうな、「余計なこと」はいっさい出さないようにしているサイトもある。明るくて楽しげなサイトもあれば、お堅いイメージのサイトもあります。そして、サイトの訪問者が、サイトから受けたイメージを、その企業のイメージに重ねるのは、自然な成り行きです。

―― “社員は会社の顔”と言われてきたように、今はウェブサイトも企業の顔になっていると。

 そうです。その会社がどれくらい堅実な仕事をしているか、どのくらい社会に貢献しているか、といったことから、お客様へのサービス精神や“おもてなしの心”がどのくらいあるかといったことまで、企業サイトが重要なメルクマールになっています。そもそも企業のウェブサイトにやって来る人は、何らかの興味・関心を抱いて来るのですから、そこで与えるイメージが重要なのは、素直にご理解いただけるんじゃないでしょうか。

―― なるほど。でも、こういう話を「ウェブサイトは企業にとってブランディングツールである」「マーケティングツールである」という言い方でされると、どうも「それはネットの専門家に任せることだな」と、考えてしまいそうです。この手の“ウェブの最先端”の情報は氾濫ぎみで、消化不良を起こしている人も多いのではないかと思います。

 ウェブの技術の進歩やトレンドの移り変わりは速いので、キャッチアップしていくだけでも大変です。さらに、実際に経営に生かそうとして動き始めると、IT(情報技術)やネット系の“専門家”の方からいろんなことを聞かされて混乱する方も少なくないようです。当社のお客様にも、以前にそういう経験をなさったという方々がいらっしゃいます。

 経営層の方々に押さえておいていただきたいのは、「大事なのは技術でもトレンドでもなく、お客様とのコミュニケーションだ」ということです。企業サイトの本質的な役割は、「企業がお客様とコミュニケーションをする」ことだと思うんですよ。

 「我々のどこを分かってもらいたいか」。経営者が考えるべきことは突き詰めればこれだけです。技術やトレンドは、そのコミュニケーションを支援する道具に過ぎない。その道具とは、いわば「話し方」ですから、自分の会社が伝えたいことを「どんな話し方、伝え方でコミュニケーションしたいのか。そのためにはこの手法で正しいのか」という目線で押さえておけばいいんです。そうすれば、細かい技術的な情報に混乱することも減ると思います。

―― それは同時に、ウェブのコミュニケーションは“専門家”に丸投げすべきではない、「伝えたい想いは、ちゃんと伝わっているのか」という根本のところは、各企業のマネジメント層が自ら考えねばならないということも意味してますよね。そうは言っても、ウェブに直接携わることはない人が経営層ではまだまだ多いと思います。そうした人々が今後どのような視点を持てばいいのか、そのあたりをお聞きしていきたいと思います。

ネット動画はテレビじゃない

―― 本当に基本的なところからうかがいます。例えば、自社の宣伝をする場合、ネット動画とテレビのCMは、どこが違うんでしょう。いまは、パソコンでもクリックひとつで動画が見られる。となると、「要するにテレビ番組やCMがパソコンでも見られるようなもんでしょ?」と思ってしまいそうですが。

 確かに、そうお考えの方は意外と多いのですが、私はそれだけじゃないと思っています。

―― ならば、テレビとの違いはどこにあるんでしょうか。

 例えば、「JoosT」というウェブサービスをご存じですか? これはまさに、「テレビをウェブで見る」サイトで、最近、注目を集めています。ニュースやスポーツ中継から、バラエティや音楽まで、いろんな番組を、インターネットを通じてパソコンで見ることができます。

―― …すみません、正直、それほどすごいようには聞こえないんですが、どこが注目されているんですか?

 操作性がバツグンにいいんです。きれいな動画が瞬時に流れるんですよ。

 ネット動画の場合、フォーマットによっては、PLAYボタンをクリックしてから、データが流れてきて動画が始まるまでにすこし待ち時間がありますが、「JoosT」にはそれがない。クリックするとすぐに始まる。それに画質がすごくいい。

 このサービスはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixiのように招待制で、オリジナルのプレイヤーをダウンロードする必要はありますが、テレビとほぼ同じ機能をインターネット上で再現したということで、話題を呼んでいます。

―― まさに、「テレビをパソコンで見られる」、というサービスなんですね。

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