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「よい仕事」が企業を強くする

内部統制や法律では不祥事を防げない

  • 常盤 文克

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2007年7月17日(火)

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 世の中、これだけ企業統治、法令遵守、企業の社会的責任などと叫ばれていても、企業の不祥事が絶えません。企業の幹部が並んで頭を下げる場面は、残念なことに今や新聞やテレビで馴染みの光景になってしまいました。

 こうした状況を受けて活発になっているのが、企業の内部統制を強化する動きです。2006年5月に施行された新会社法や、2008年に予定されている日本版SOX法の施行は、その典型だと言えるでしょう。いずれも、内部統制のルール作りやリスク管理の強化、財務報告に対する経営者責任の明確化などを通じて、企業の透明性を高めるのが狙いです。

「仕事観」を育んでこそ「よい仕事」ができる

 そんな動きについて改めて考えてみると、日本企業の経営を米国型に変えていこうという流れが見えてきます。しかし、それで問題は解決するのでしょうか。法規制やルール作りといった表層的なことよりも、不祥事(談合、偽装、不具合、不正決算など)という事件がなぜ起きるのか、もっと本質的な部分に目を向ける必要があるように思うのです。

 ここで参考になるのが、ある大手商社が昨年末に出した新聞の全面広告です。この広告には、「よい仕事とは何か」という社長の問いかけに応えて、数百人もの社員の仕事にかける思いがびっしりと書き連ねてあります。「胸を張って家族に語れる仕事をしたい」「仕事を通して幸せの輪を広げていく」「常に新しい価値を仕事に見いだしていたい」――。そこには、信頼とか謙虚、誠実、真摯、倫理、さらには使命感、達成感といった思いが込められています。

 ところが意外なことに、もっと売り上げを伸ばそうとか、利益や株価、企業価値を高めようとかいう言葉は一つも出てきません(事実、売り上げや利益は、自分たちの仕事をしっかりとやり抜いたとき、結果として出てくるものです)。

書生論でも構わない、自問自答が重要

 この広告が意義深いと感じたのは、社員一人ひとりが自分たちの仕事を振り返り、改めて「仕事とは何か」を考える機会を持ったことです。青くさい、書生っぽい議論でも構いません。仕事の原点に立ち返って、自分の会社の社会的な存在意義を問い直すと同時に、社員や家族、そして社外の関係者に対して「誓い」を立てるような役割を果たしたことに意味があります。
 
 その結果、人は自ずと自分の人生と仕事とを重ね合わせ、自問自答することになります。そして個人の満足だけでなく、仕事をすることが社会的にどんな意味があるのか、1人の人間として考えるようになります。
 
 こうして個人(または会社)と社会という両方の視点から仕事に向き合い、自らの「仕事観」をきちんと育んでこそ、人は仕事の本質に迫り、いい仕事をこなし、そしていい家庭生活も送れるのです。少しきれいすぎる話だととる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は不祥事を起こすというのは、上述のことが欠けているからにほかなりません。

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