米ブラウン大学の電子政府ランキングが最近発表された。私はそれを見て大変なショックを受けた。同時に、日頃から「美しい国」の電子政府に疑問を抱いている私は「やはりね」という思いを募らせた。
昨年は8位であった日本のランクが、何と40位に落ちたのだ。39位が北朝鮮というのもショックだった。日本の電子政府は北朝鮮よりも劣っているらしい。ちなみにランキング1位は昨年に引き続き韓国、2位、3位はシンガポール、台湾と、アジア勢が上位を占める。
4位が米国、5位が英国、6位がカナダといったあたりは、いつもの顔ぶれである。日本より上位で私が個人的に気になったのは、39位の北朝鮮以外に32位のアゼルバイジャン、34位のブータン、35位のコスタリカ、37位のエチオピア、38位のガボンなど。また、日本より下位で気になるのは、フランスの43位、中国の51位あたりだろうか。
「官僚視点」でしか作られていない
元来、電子政府ランキング自体には様々な議論がある。よく引き合いに出されるアクセンチュアの2005年ランキングでは、日本は5位であった。その前に発表された2003年の国連ランキングでは18位だったので、IT(情報技術)改革戦略を主導する政府関係者も胸をなで下ろした経緯がある。
一方、米ブラウン大学のランキングは、ホームページの使い勝手や機能を重視しており、また大学の学生が評価に参加していることもあって、そのランキング自体を疑問視する声もある。私が客員教授をしていた早稲田大学はそれら複数のランキングの諸論点を整理して、独自のランキングを2005年12月に発表した。それによると日本は4位にランクされていた。
しかし、このコラムで発表したように日頃からe-Tax(正式名称は「国税電子申告・納税システム」)や電子入札で悪戦苦闘している私から見ると、ホームページの使いやすさや機能こそが国民視点の評価のように思えてならない。学生が使ってみて使いづらいサイトは我々にも使いづらいだろう。私の体験では、我慢強い日本人にもe-Taxや電子入札は明らかに使いづらく、ましてや外国の方々にとっては全く使い物にならないに違いない。
ブラウン大学政治学部教授、トーブマン公共政策センター所長を務めるダーレル・ウェスト氏によると、電子政府の現在の主流は「サービス型電子政府」なのだそうだ。ところが日本の電子政府には、「サービス」が決定的に欠けている。
ウェスト氏は、昨年日本が8位にランクインした時のインタビューで、次のようにコメントしている。「日本の電子政府では、一般的にクレジットカードを含めてオンライン決済はできず、電子サービスの種類も一握りしかない。電子サービスの分野では隣国でランキング1位の韓国に大きく水をあけられている。またデザイン面でも工夫が必要だろう。韓国と比べると、サイトの使い勝手は悪い」(ITproの記事「世界電子政府ランキング、韓国がトップに」より)。私は全くその通りだと思う。
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