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経営者の仕事は“絞る”こと

  • 奥原 剛,山中 浩之

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2007年8月31日(金)

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―― この特集の白石さんの連載は、前回まで、企業サイトは顧客とのコミュニケーションツールであると同時に、ブランディングツールでもある。サイト構築に当たっては「自社を顧客にどう見てもらいたいかを考えよ」という、いわば基本姿勢のお話をお聞きしてきました。今回からは、それらを踏まえてより具体的に、部下から上がってきた自社サイトについての報告や提案を見る時、経営者・マネジャーが押さえておくべきポイントについてうかがいたいと思います。

 経営者・マネジャーが自社サイトを考えるうえで重要なのは、テレビ業界で言うような“編成感覚”なんですね。第1回(氾濫する「ネット活用」情報に惑わされないために)で、「ウェブとテレビは見られ方もつくり方も違う」という話をしましたが、番組編成のセンスやノウハウについては、テレビから学ぶところがあります。

編成感覚をテレビに学ぶ

 テレビ業界の人たちは、半世紀あまりをかけて、各テレビ局の番組編成の特徴を確立してきました。うちはドラマが得意だとか、うちは報道が得意だとか、バラエティー番組でも得意分野が違うとか、自局の番組を見てもらうために工夫を重ねてきましたね。

 第3回で「企業サイトは放送局になる」という話をしましたが、これから企業サイトは、いわば自営の放送局のような存在になります。それにつれて、各テレビ局が築いてきたような番組編成の独自性を、企業サイトも摸索し強化する時代が来るでしょう。

―― 例えば、A社のサイトは動画を使った製品説明がすごく丁寧だけど、B社はバーチャル世界っぽい演出がすごくかっこよくて興奮させられる、とか?

Jストリーム社長 白石 清氏

Jストリーム社長 白石 清氏 (写真:大槻 純一、以下同)

 単純化して言えばそういうことです。その独自性はそのまま企業のブランドイメージを物語っていて、ブランディングツールとしても機能します。

 テレビから学ぶ編成感覚を、もう少しブレイクダウンしてお話しすると、例えば「時間帯とターゲット」です。つまり、誰に、何を、いつ、どんなふうに見せるのか。

 テレビ局は1局1チャンネルしか持っていなくて、しかも「1日24時間」と、番組を見せられる時間も決まっている。なので、この時間はこういう対象にこういう番組を用意して視聴者を獲得する、ということを一生懸命考えているわけです。朝の6~7時台は出勤前の会社員に向けてニュースを流して、その次の時間帯は主婦層に向けてお役立ち情報を見せて、家事の一段落した午後はワイドショーをやって、と。当然、出演者も、時間帯とターゲットに合ったタレントを起用します。これらのハマり具合で視聴率が全然違ってくる。

 同じことが、企業サイトでも言えます。つまり、「誰に、何を、いつ、どんなふうに見せるのか」ということを、企業も徹底的に考えないといけない。テレビは時間の枠が限定されていますが、ウェブサイトの場合は、ページをたくさん用意できるし、映像も複数流せるし、時間もサイト訪問者が滞在したいだけ滞在できます。

―― いいことずくめですね。

 いや、ところが、その分かえってあれもこれもと総花的になってしまうんですね。「なんでもあるけど、何が言いたいのか分からない」。ひっかかりがないぺったりとした空間になってしまう。それがウェブサイトが犯しやすい失敗です。

―― 制約が少なくてなんでもできる分、ウェブサイトでは編成感覚が重要になる。

 ええ。可能性の方を語れば、今の企業サイトは、朝見ても夜見ても内容は基本的に一緒ですが、将来的には、ウェブサイトもテレビと同じように、時間帯をもっと気にする必要が出てくると思います。

―― 時間帯によって番組編成を変えるということですか。

 極論で言うとそうなります。企業サイトだって、朝見る人と、会社の昼休みに見る人と、夜見る人とでは、視聴者層も目的も違うじゃないですか。午前中は主婦向けの情報を増やすとか、昼休みにはじっくり見る時間はないので、さっと情報をつかめるようにページを構成するとか、逆に夜はじっくり見てもらえるように動画を充実させるとか。

 なにも時間帯によって中身をそっくり変える必要はなくて、用意しているページは24時間一緒でもいい。ただ、サムネイルの大きさや位置を時間で変えて、「この時間帯にはこの手の情報が見やすいように」と構成する。今すぐそこまでやるかどうかは別にしても、少なくとも、「この時間帯にはこういう人が見にきている」という、時間帯とターゲットに対する意識は持っておきたいですね。

不特定多数から特定ターゲットへ

―― 編成感覚を持つということは、先ほどお話に出た「誰に、何を、いつ、どんなふうに見せるのか」を考え抜くということでしょうか。

 そうなんですが、その中でも特に、「誰に」を最初にしっかりと押さえておく必要があります。今の多くのウェブサイトには、「何を目的に訪問してきた、どういう人たちに向けて?」という視点が、どうしても欠落しがちのように思うんですよ。

 それというのも、ウェブサイトってもともと、インターネットが普及し始めた初期の頃は、不特定多数の人たちがアクセスしてくることを想定してつくられていたんですね。誰が見るか分からないから、誰が見てもオッケーなようにつくっておこう、というのが出発点だった。

 でも、今はもうそうではなくなっている。誰しも多くの場合、何か目的を持ってウェブサイトにアクセスする。つまり、ウェブサイトが不特定多数を相手にしていた時代から、今は特定のターゲットを相手にする時代に変わっているんですよ。

―― とはいえ企業側も、担当者レベルでその変化に対応しているかと思うんですが。この時間にこれだけのアクセスがあって、こういうページが見られているというデータは持っていて、それを踏まえて最適なページ構成をして、と、ビューを増やす工夫はしているのではないでしょうか。

 ええ。ただし、そういうデータで本当に顧客の顔が見えているのか、という点はよく吟味する必要はあるでしょう。担当者がデータを単に数字として見て、とにかくアクセス数を増やすことを考えているのか、あるいはデータから訪問者の属性や目的まで読んで、アクションを起こそうとしているのか。経営者・マネジャーは担当者に「あなたはその数字から、何を読み取ろうとして調べて、どういう結果を得たのですか」と、そこをつっ込んで聞くべきです。そして、数字から何も読めていないのだとしたら、数字の向こう側にある訪問者像や訪問の目的を検証しなくてはいけません。

なんのためのアクセス解析か?

―― どんな人がどんな目的で訪問しているかを検証するには、どういう方法があるんですか。

 ひとつには、性別、年齢、職業、サイト訪問の目的などについてアンケートを取るやり方がありますね。または、訪問者が何をしに来たかを後で追えるように、サイトを構成する方法もあります。つまり、トップページからすぐに各コンテンツに飛べるようにするのではなくて、各コンテンツに行くまでに何段階か扉を選択してもらうようにする。そうやって訪問者の動線が細かく残る仕組みにしておけば、どういう人がどういう目的でどのページを見たのかを分析できます。

―― そういう仕掛けは、サイトの見やすさを損なわないようにできるんですか。

 ランディング・ページ・オプチマイゼーションなど、サイト構成を最適化する技術がいろいろとありますので、不親切なサイトになるということはありません。

 むしろ、気をつけないといけないのは、分析にハマってしまうことです。

―― どういうことでしょう?

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