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英国デザイン産業、強さの秘密--Design Laboratory(後編)

ビジネスの意味や価値に共感し、共に支える関係を作る

  • 勝尾 岳彦

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2007年9月19日(水)

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 Design Labでは、プロセスの最初から最後までを一貫して手がけさせてもらうよう、クライアントに求める。その分、クライアントとの関係づくりにも気を配る。

ビジネスの力学を解明することも使命

 長い付き合いのクライアントとは、リテインでの継続的契約と共同作業に始まり、知的財産の権利関係確立、ライセンシングやロイヤルティーなど、こまやかな積み重ねで互いの条件をすりあわせる。中小企業の場合、クライアントの株を取得することもある。単なるアドバイザーやコンサルタントではなく、クライアントの目的を共有し、共に支える姿勢を持ちたいとの考えからだ。

 クライアントにはインテル、マイクロソフト、ジャガー、ユニリーバ、ミシュラン等々の有名ブランドが名を連ねる。その一方で、例えばロンドンのマイノリティーであるインド系、カリブ系、中国系などのコミュニティーの仕事も積極的に手がけている。

 また最近伸びはじめた、環境やフェアトレードといった社会的課題に取り組む「社会的企業」にも関心を寄せる。経済的成功だけでなく、そのビジネスを支える「価値」の意味を探り、こうした新しい企業がどのような仕組みで動いているのか、そのビジネスの力学を解明することも、Design Labの使命と位置付けているからだ。

クリエーティブ産業の土台を養うために、子供の遊びを考える

 クライアントと共に価値を追求した仕事の1つに、2003年に始まり現在実を結びつつある、子供向け遊具のプロジェクトがある。クライアントはこの遊具をデザインしていたアーティスト/デザイン事務所。彼らはロンドン市内の小学校に向けて、学習プログラムの一環としての遊具デザインを手がけていた。しかし、より長期的・根本的な取り組みを市に提案する上でDesign Labに助力を求めた。

 これに対しDesign Labでは、校庭の意味の再定義から始めた。校庭は「休み時間をつぶす休憩所」ではなく、子供同士の自由な活動による、もう1つの「学びの場」と意味付けた。そこでは遊具は、自然発生的な遊びを支え、想像力による学習や成長につなげるための大道具となる。

 具体的には、耐候性のある素材で作られた、 想像力を刺激する抽象的な形のオブジェをデザインした。プロトタイプを校庭に設置して実験や評価を重ね、英国の代表的遊具メーカーSutcliffe Playが製造を手がけることになった。今年10月に発売を予定している。日本でも家具・ストリートファニチュアの老舗コトブキからの発売が決定した。

 実はDesign Labがこのプロジェクトに力を入れた背景には、創造力育成の現状に対する危機感がある。英国では1980年代以降、クリエーティブ産業の育成に力が注がれてきたが、教育面ではこれまで、専門的な美術教育が始まる中学以降のことしか考えられてこなかった。

 だがクリエーティブ産業の土台となる力は、子供たちが最も創造的な発達段階にあるときに形成される。だから将来のクリエーティブ産業を担う創造的な才能を育てるには、この段階から力を注ぐ必要がある、と考えているのだ。

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