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動画投稿でGATSBYが成功した理由

  • 奥原 剛,山中 浩之

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2007年9月28日(金)

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―― 前回に引き続き、ウェブの新技術と企業サイトについて伺っていきたいと思います。ユーザーがコンテンツを自ら作り、配信できる仕組み(CGM)が注目されて久しいです。いまのCGMの主流は動画投稿ですね。第2回でも触れましたが、企業がブランディングなどに、動画投稿などのCGMを活用する方法はないんでしょうか。

Jストリーム社長 白石 清氏

Jストリーム社長 白石 清氏 (写真:大槻 純一、以下同)

 可能性がないとは言いませんが、難しいのは事実でしょう。しかし、うまくいっている例もあるんですよ。難しい中で成功している例なので、参考になります。

 その成功例とは、「GATSBY 学生CM大賞」なんですが、高校生や大学生を対象に、GATSBYのCM動画を募集して、優秀者に賞金を出す。GATSBYの主要な購買層でもある学生に向かってCM動画を募集する。しかも審査員が著名なCMディレクターやプランナーなんです。だから、雲の上の存在のプロに作品を見てもらえるということで、映像制作が好きな学生が本気で投稿してくるんですね。投稿者のモチベーションがひじょうに高くて、実際、投稿動画のクオリティもすごく高いと聞いています。

投稿系の企画で成功するには、まず企業イメージの確立から

―― GATSBYのターゲットがはっきりしていること。CM界の著名人を審査員にして、学生のモチベーションを高めたこと。このあたりが、成功の要因なんでしょうか。

 実は、いちばん重要なポイントは他にあります。

 何かというと、GATSBYのブランドです。GATSBYは既にブランドを確立していますよね。CMも一貫してひとつの方向性を打ち出しています。だから、投稿者は既存のGATSBYのイメージに沿って作品をつくればいい。GATSBYのブランドが、投稿者に対するディレクションになっているから、制作しやすいんですよ。投稿されてくる作品のクオリティが高いいちばんの理由は、GATSBYのブランドが確立されているからなんだと思います。

―― なるほど。企業や商品のブランディングができていないまま、GATSBYのまねをしても、うまくいかない。

 うまくいかないでしょうね。GATSBYは、ブランディングのためにこのCM大賞を企画したわけではない。動画投稿を活用してブランディングをしようとしたんじゃないんです。GATSBYはその逆で、すでにブランディングができていたから、動画投稿の企画もうまくいった。これは一般ユーザーからCMやネーミングなどを募集するという企画を考える上で、ものすごく重要なポイントです。

 ですから、経営者・マネジャーの方々は、一般募集の企画を考える際は、自社やその商品のブランドが世間で既に確立できているのか、という点に注意する必要があるでしょうね。繰り返しますが、一般募集によってブランディングするのではなく、ブランドがしっかりできているからこそ、一般募集ができるんです。

―― 顧客にブランディングを手伝ってもらうつもりではいけない、という点が、第2回のお話と共通していますね。

 ええ。それでは“おもてなし”ではなくなってしまいますからね。GATSBYは、動画投稿系で顧客に“おもてなし”ができている、まれな例だと思います。

コミュニティーの進化形ならメタバースもアリ

―― メタバースと呼ばれるオンライン仮想空間についてはどうお考えですか。今年の春には、欧米で人気の「Second Life」の日本語版が公開されて注目を集めました。「Second Life」は、ユーザーどうしが仮想空間内でチャットをしたり、服や家具や家をCGで作って、それを販売して得た架空通貨を現実のドルや円に換金できる仕組みで、一部では「これから仮想空間にもうひとつの経済圏が構築される」という言われ方もしています。実際、大手企業が「Second Life」内の街並みに広告を出したりしています。

 「Second Life」も騒がれていた程には、日本のユーザーは増えていませんね。動作環境がわりとハイスペックなのと、使い勝手がよくないのと、日本人から見たらCGの質が低いことなどが、日本で受けていない理由だと言われていますが。

 私の感覚では、「Second Life」みたいに、「なんの制限もないので自由に好きなことをやってください」というものが大成功する気がしないんですよね。しかし、コミュニティーの進化した形としてのメタバースなら、アリかなと思っています。

 この間ディズニーが3億5000万ドルで買収した「Club Penguin」が注目されています。「Club Penguin」は、コミュニティーの進化形としてのメタバースに近いものではないかと思います。

ディズニーが買収した「Club Penguin」の可能性

―― 「Club Penguin」はどういうものなんですか。

 メインユーザーは、プレティーンと呼ばれる8歳から12歳までの子供向けメタバースで、アバターがペンギンなんです。仮想空間内で他のペンギンとチャットをするのは無料、ペンギンに服を着せたりゲームに参加するには有料会員になって、アイテムを購入する必要があります。子供向けなので、操作がものすごく簡単で、不適切な会話が交わされないように、使われる単語に制限をかけるなどして健全性を確保しています。あと、広告を一切入れていないのも特徴で、これも健全性確保のためです。仕組みとしては、それだけと言えばそれだけなんですが、すでに無料会員が1100万人、有料会員が70万人もいるんですよ。

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