特集「イノベーションで切り拓く新市場」が、「ザ・ターニングポイント ~イノベーションの軌跡」として装い新たに再スタートを切りました。動画番組もテキスト記事も今まで以上にパワーアップしてお届けします。番組では、キリンビールの三宅社長、キリンホールディングスの加藤社長をはじめとするキーパーソンへのインタビューなどを通して、キリンビールのターニングポイントに迫りました。ぜひご覧ください。

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「以前は研究室で飲み会をすると、2次会、3次会は当たり前でした。でも、最近は2次会に来る学生がめっきり少なくなりました」
NBオンラインの連載「経営の設計学」でお馴染みの宮田秀明・東京大学教授は、研究室の学生たちがお酒を飲まなくなったと言う。「食事に誘うとみんな喜んでついてくるのですが、飲み会だと反応が鈍い。学生がお酒を飲まなくなったのは、ここ20年来のトレンドですね」。
この傾向は会社の中でも同様だ。かつては「飲ミニケーション」とも言われたように、酒の席は、社内で欠かせないコミュニケーションの場所だった。また、上司が部下を誘えば、部下は断れない雰囲気があった。だが、今は決してそんなことはない。皆さんの会社ではどうだろうか。
縮小市場のど真ん中に大型商品を投入
お酒が苦手な人にとっては、好ましい風潮なのかもしれない。しかし、ビール会社にとっては極めて厳しい時代になりつつある。

図1 ビール系飲料(ビール、発泡酒、新ジャンル)課税数量の推移(大手5社計)
(*)2003年新ジャンル実績は0.3万キロリットルのため、グラフには表れていない
国内のビール消費量の減少は、明白な数字となって表れている。2007年1~6月における、ビール、発砲酒、新ジャンルを加えた「ビール系飲料」の国内出荷量(課税ベース)は、前年比1.9%減の2億2629万5000ケースだった(キリンビール、アサヒビール、サッポロビール、サントリー、オリオンビールの合計、1ケースは大瓶20本換算)。1992年の統計開始以来、最低の出荷量である。
2007年上半期は、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4社が、半期としては最も多い17の新製品を市場に投入した。だが、それでも市場縮小の流れは食い止められなかった。

「キリン・ザ・ゴールド」。2007年3月に発売
ビール系飲料の中で、「ビール」は特に出荷量の減少が顕著だ(図1)。国内のビール出荷量は、1994年をピークに年々減り続けている。94年の出荷量は、約713万キロリットルだった。これが2006年になると約349万キロリットルである。ビール出荷量はピーク時の半分以下に減ったことになる。
縮小する一方のビール市場。だが、今年創業100周年を迎えるキリンビールは、そのビール市場のど真ん中に新製品を投入した。今年3月に発売したレギュラー価格帯ビール、「キリン・ザ・ゴールド」である。

「キリン一番搾り生ビール」
キリンが「キリン一番搾り」を発売したのは1990年のこと。以来、季節限定ビールやプレミアムビールの新商品を発売することはあったが、定番商品となるビールは発売していない。ザ・ゴールドは、キリンにとって17年ぶりとなる大型のビール商品である。これでキリンは、「キリンラガー」「一番搾り」「ザ・ゴールド」という3つの定番ビールブランドを揃えることになる。
キリンビール株さんが一番搾りに続くビールの新製品ということで期待して購入しました。初めのひと口目には感動しましたが、飲むほどに感動が薄れてしまいました。「おれはビールだ」という主張が感じられないのですが、これがキリン技術陣の目指したところかなあと感じました。日にちがたつにつれて店頭から姿を消しつつあるのもむべなるかなと思うこの頃です。(あの味じゃビールファンはついていけない)いかにキリンの製造数量の中心がリキュールや雑酒になったとしても・・・。(2007/10/02)