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松坂に120億円を払えたのはなぜ? (上)

レッドソックスに見る、飽くなき収益拡大戦略

2007年10月11日(木)

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 米大リーグ(MLB)は、ポストシーズンに入り、ワールドチャンピオンを目指して、熱戦が繰り広げられています。

 元西武ライオンズの松坂大輔投手が移籍したボストン・レッドソックスは所属するアメリカンリーグの東地区で地区優勝し、3年ぶりのワールドチャンピオン目指して駒を進めました。

松坂入団

松坂大輔投手のレッドソックス入団会見
写真:(c)AFP/Getty Images Elsa

 そのレッドソックスが松坂投手を獲得するために5111万ドル(=約60億円)もの巨額の入札金を投じたのは記憶に新しいところです。6年総額5200万ドルの年俸を加えると、合計1億311万ドル(=約120億円)を松坂投手に投資する格好になりました。

 それに比べて、日本のプロ野球(NPB)はどうでしょうか。2007年シーズン年俸総額トップの読売ジャイアンツは、各球団のスター選手を集めながら、40億8286万円にとどまっています。年俸最下位の東北楽天ゴールデンイーグルスにいたっては、わずか17億2810万円です(ベースボール・マガジン社調べ)。松坂投手の入札金60億円だけ見ても、今年のNPBにおけるどの球団の年俸総額をも軽く上回っているわけです。

 日米の資金力の差に驚かされますが、それにしても、一体どのようにして100億円を超える巨額の投資を回収するのでしょうか。「きっと、投資回収の秘策があるのだろう」と勘ぐった人も少なくなかったかもしれません。

「松坂効果」はほとんどなし!?

 MLB球団の収入源には、(1)チケット販売、(2)メディア権利料(テレビ放映権・ラジオ放送権など)、(3)スポンサーシップ、(4)グッズ・飲食販売の4本柱があります。この主要事業で、かなりの「松坂効果」があったと考えがちです。

 ところが、結論から言うと、主要な収益源にはほとんど「効果なし」と言えます。

 球団収入の柱であるチケット販売ですが、レッドソックスは2003年シーズン途中からホームゲームのチケット完売記録を更新中です。つまり、松坂投手が入団しても、日本人をはじめとする松坂ファンが観客動員を押し上げる余地はあまりないわけです。

 メディア収入は、日本で放映する権利料が球団収入にならない構造になっています。既に日本でのMLB放映権は電通が持っており、2004年からの6年契約総額2億7500万ドル(約320億円)という巨額の権利料は、MLBの収入になります。

 企業が払うスポンサーシップ料も同様です。超人気球団であるレッドソックスは、既に多くの企業とスポンサー契約を結んでいます。しかも、企業を1業種1社に絞って、複数年の契約を結ぶことが基本ですから、松坂投手の入団に合わせて日本企業がすぐに割り込めるわけではないのです。

 グッズ・飲食収入にしても、以前から球場は満員の状態が続いていることから、松坂投手が入ったからといって、球場内での購買が増える可能性は小さいわけです。「インターネットで日本人が松坂グッズを買うはずだ」と言う人もいるかもしれませんが、実は、オンラインのMLB関連グッズ販売は、MLBの収入になり、レッドソックスの懐を直接潤すわけではないのです。

 おまけに、松井秀喜選手やイチロー選手と違って、松坂投手が週に1~2回しか出場しない先発投手であることも、収益に結びつけにくい要因になっています。

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「松坂に120億円を払えたのはなぜ? (上)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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