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「中国、2040年まで年率7~10%成長」
アルバート・ケイデル
カーネギー国際平和基金シニアアソシエイト

「2010年日中逆転」 碩学が語る (2)

  • 伊藤 暢人

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2007年10月2日(火)

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 米国における中国経済研究の第一人者、アルバート・ケイデル博士は、「内需主導型の経済構造を作り上げている中国は、短期的には調整があっても底堅い成長を続ける」と見る。2010年までは7~10%程度までの高い成長率を維持し、その勢いは2040年頃まで継続するだろう、と語る。
(聞き手は 日経ビジネス 伊藤 暢人)

 ―― 中国の経済は急成長を続けています。世界経済の行方が不透明な中、今後の成長をどのように予想していますか。

アルバート・ケイデル(Albert Keidel)氏
米カーネギー国際平和基金
シニアアソシエイト
世界銀行、米財務省の東アジアオフィス部長代理などを経て2004年9月から同基金で中国の経済システムの再構築やマクロ経済などの研究者として活躍している。東京大学で学び日本語を話す知日派でもあるが、最近は専ら中国の研究に専念、中国語も堪能だ。

 ケイデル 中国経済は成長を続けてきましたが、一方で短期的には調整もありました。2010年までには、再度、調整局面に入るかもしれません。

ですが、長期的に見れば成長基調は不変です。年率7~10%という高い成長率が、2040年頃まで続くかもしれないと考えています。2035年頃には米国を追い抜くでしょう。たぶんその時点で米国の経済は、今の規模よりもはるかに大きくなっているはずですが。

 中国政府のリーダー層や官僚らが経済を巧みに成長軌道に乗せ、コースを大きく外れないようにコントロールしてきました。

 ですから、今年10月15日から開催される中国共産党大会には注目しています。この席で、胡錦濤政権を引き継ぐ次の世代のリーダーたちが選ばれるでしょう。だれが胡錦濤国家主席の後を継ぐのでしょうか。そして、5年後にはその人物が国家主席に就任するのを我々は目の当たりにするはずです。もし、今回、権力構造に大きな変化がなければ、従来からの経済発展を重視する政権が続くことになります。

 次に、金融システムも経済成長を支えるために、なんとか機能を果たしてきました。

 何よりも中国経済は輸出への依存度が低く、逆に旺盛な国内需要に応えるため技術や原材料、エネルギーなどを外国から買い付けてきました。国内の経済規模が十分に大きくなったので、その成長を支える原動力はますます強まっています。

 ここに来て、中国は都市部と地方との格差解消を急いでいます。貧しい人々が生まれ育った場所にとどまるように補助金を出し始めましたが、まだ彼らは仕事を得ようと都市部に出かけていきたがっています。

 ―― こうした経済の成長モデルは、他の国でも見られたのでしょうか。

 ケイデル 米国が最もいいお手本ですよ。対外貿易をコントロールしながら、特定の国内産業は守ってきました。投資を優遇し、特に外国からの投資に対しては、非常にオープンな政策を取ってきました。

 ―― とはいえ、最近の中国経済は過熱気味という指摘もあります。

 ケイデル 2001年頃から中国は8~10%という高い成長を続け、各国に対して貿易黒字を積み上げてきました。そして2004年に中国政府はいったん経済の引き締めに入りました。

 その後、輸入も増えましたが、輸出も膨らんでしまい、結果的に貿易黒字は増加してしまいました。こうして見れば、今年か来年にも中国では経済が過熱しすぎるというリスクは極めて高い。急激なインフレが起きれば、中国政府はどうしても経済に急ブレーキをかけざるを得ないでしょう。

 このような事態に陥れば、2010年頃までは短期的に停滞期に入るかもしれませんが、過去の経験から言えば、これは通常の調整の範囲内というところでしょう。長期的な成長には全く影響しないと考えています。

――米国でのサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の影響が日欧に広がりました。世界経済は、過剰流動性の増減に翻弄されている感がありますが、中国にはこうした影響が少なかった。なぜでしょうか。

【最終ページにアンケートのお知らせがございます。是非、ご覧ください。】

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